裏金問題などで自民党の議席数は…政権交代すれば日本経済は良くなるのか
石破政権が誕生して、いよいよ10月27日に3年ぶりの衆議院選挙が行われる。長期にわたって単独過半数を維持してきた自民党がここに来て、旧統一教会との組織的な癒着や旧安倍派を中心にした裏金問題などによって大きく議席数を減らすのではないか……、ひょっとしたら政権交代も起こるのではないかと様々な予想が叫ばれているが、いわゆる「与野党逆転による政権交代」が起きたケースは、日本では戦後2回しかない。 二大政党体制を築けていない日本にとって、政権交代は滅多にないわけだ。周知のように、アメリカでは4年に1度、あるいは8年に1度という頻度で、政策が大転換する政権交代が行われる。政権交代によって政府内部の汚職や腐敗といったものが一掃されることが多く、政権交代が定期的にある国家のほうが健全だと言われている。さらに、政権交代のない国家には、税制や財政といった面でシステム的に膠着化している可能性が高いとも指摘されている。
ただ、気になるのは政権交代によって経済は良くなるのか、それとも悪くなるのかだ。これまでの様々なケースを参考に、政権交代が経済に与える影響を考えてみたい。政権交代に慣れていない日本国民にとって、今回の総選挙は千載一遇のチャンスかもしれない。 ■政権交代に慣れていない日本人? 日本では1955年から大半の期間、自民党が政権を掌握してきた歴史があり、日本人にとっていわゆる「与野党逆転による政権交代」は、なかなか経験できていない。それでも、実際には70年の歴史の中で政権交代が2回起きている。簡単に紹介すると、次の2つになる。
<1993年 宮澤喜一内閣(自民党)→細川護熙内閣(連立)> 非自民党の野党8党が結集して、細川氏を首相にして誕生した政権が最初の政権交代になった。1955年に誕生した「55年体制」を覆して、非自民による政権交代がはじめて実現することになった。その背景には「リクルート事件」や「東京佐川急便事件」といった政治家への賄賂に関するスキャンダルが発覚したことがある。 細川内閣は1年足らずで、やはり金銭スキャンダルが発覚して退陣するのだが、その後も続かず、自民党は政策の基本的な考え方が根底から異なり、長年の政敵であった社会党を巻き込んで、社会党の党首であった村山富市氏を首相にすることで政権に返り咲くことになる。わずか1年ちょっとで自民党は再び政権奪取に成功したわけだ。