裏金問題などで自民党の議席数は…政権交代すれば日本経済は良くなるのか
ちなみに、民主党政権から政権交代を果たした安倍政権は、大胆な金融政策を核にした「アベノミクス」をスタートさせたのだが、デフレ脱却、景気回復を実現させることなく、新型コロナウイルスによる急激な景気後退に巻き込まれていく。 ■海外では大きな成果を上げてきた政権交代の歴史 では、海外では政権交代によって、どんなことが起きてきたのか。いくつか、代表的なケースを紹介してみよう。政権交代と言えば、大統領が代わるごとに官僚などのスタッフも総入れ替えになると言われるアメリカだが、過去のケースで景気が良くなったケース、悪くなったケースがある。
<1933年 フーヴァー大統領→ルーズベルト大統領> 1930年代の大恐慌時代は、共和党のフーヴァー大統領が適切な対応をしなかったために事態を深刻化させ、政権交代によって民主党のルーズベルト大統領が誕生。ニューディール政策を実施して景気の回復に努めた。もっとも、実際にはルーズベルト政権でも、景気を回復させることはできずに、1937年前後には景気の最悪期となっている。最終的には第2次世界大戦終了後、はじめて大恐慌からの回復が実現したと言われている。
<1981年 ジミー・カーター大統領→ロナルド・レーガン大統領> 第2次世界大戦後、1970年代は景気後退時のインフレ、いわゆる「スタグフレーション」という状態が続いていた。そんな1970年代を、政権交代によって救ったのが「レーガノミクス」という経済政策を打ち出して誕生したレーガン大統領だ。1970年代の景気後退を、短期的とはいえ転換させることに成功したのだ。 もっとも、富裕層への減税と規制緩和、軍事支出の増大という経済政策は、政権交代による経済成長を印象付けたものの、レーガノミクスは「呪術経済政策(ブードゥー・エコノミー)」と揶揄されたように、すぐに矛盾点が露呈して、1985年には景気後退に苦しむアメリカを救うために、日本や英国などが集まってドルレートを大幅に引き下げる「プラザ合意」を実施。アメリカ経済の立て直しを図っている。