裏金問題などで自民党の議席数は…政権交代すれば日本経済は良くなるのか
政権交代による景気の好転というのは、金融政策などの変更などによって、短期間であれば景気を回復させることができるものの、やはり社会全体のシステムや価値観を転換させるモノでなければ、あまり効果はないということかもしれない。 ■政権交代に揺れるイギリスが示す現代の経済メカニズム <1979年 マーガレット・サッチャー政権の誕生> 一方、イギリスでは劇的に時代の流れを変えた政権交代があった。第2次世界大戦後のイギリスは、労働党政権が続き「英国病」と呼ばれる経済の停滞が続いてきた。そんな中で1979年、マーガレット・サッチャーが政権に就く。大胆な政策転換を図ってイギリスを再び経済大国に復活させることに成功している。
それまで、イギリスは「ゆりかごから墓場まで」と言われる高福祉社会を維持してきたものの、経済は低迷。停滞した経済を「規制緩和」「民営化」「市場化」させることで大胆な構造改革を実施。景気回復を成功させたと言われる。 ちなみに、そのサッチャーの流れをくむ保守党政権が今年、14年ぶりに総選挙に敗北し労働党政権が代わって誕生した。14年ぶりに政権交代を実現させた労働党政権が、どんな経済政策を打ち出してくるかが注目されている。
<1998年 シュレーダー改革> 昨年、日本のGDPを追い抜いて世界第3位になったドイツ経済も、かつては低迷に苦しんでいた時期がある。 1990年代はドイツ経済が低迷を続けていた時期であり、それが2000年代に入ってからは奇跡の回復と言われる経済復活を果たしている。1998年から2005年に政権を取ったゲアハルト・シュレーダー首相が実施した「シュレーダー改革」と言われる経済政策だ。超党派による同意を取り付けた同首相が、戦後停滞していたドイツ経済を復活させたと言われている。
とりわけ注目を集めたのは、失業給付水準の引き下げと期間の短縮といった「労働市場」の改革だ。ミニ・ジョブ制度の拡充、自営業の促進等を実行した「ハルツ革命」によって、労働市場を活性化。さらに、医療保険制度や社会保障制度の改革にも着手し、後に続くメルケル政権時代の経済成長の礎を築いたと言っていいだろう。 ■日本の政権交代は成功できるのか? さて問題は、立憲民主党の野田佳彦代表がスローガンに掲げている政権交代は、日本で成功できるかどうかだ。仮に、今回の総選挙で政権交代が実現しても、単独では無理で、複数政党の連立という形になるはずだ。