表紙撮影のクリエイターが本音を語り合う クリエイションとサステナは両立する?
WWD:世の中のムード、マインドを変えるのは難しくもあります。
木村:「それがかっこよくてやっている」とポジティブに発信するのは大事ですよね。まずは話題に上がらないと広がりも生まれないですし、いろいろな媒体で発信していくとことはいいことだと思います。
どう伝えていくか
WWD:環境を守るアプローチと自身の活動に矛盾を感じることはありますか?
MICHIRU:私のライフスタイルそのものなので、矛盾は特に感じません。仕事でも、自信を持ってすすめられるものを使っています。おすすめしたら知らない人は興味を持ってくれるし、丁寧に伝えることは惜しまずやっていきたいですね。
多緒:大量生産や動物搾取を含む消費行動を促す立場にはならないよう、仕事の幅をすごく狭めていた時期もありました。今はポッドキャストなどで発信もしながら、人に耳を傾けてもらえる存在であることも大事だと感じています。モデルや俳優は依頼があって出演することが多いので、自分から発言できることは限られます。私の場合、自分で脚本を書いて監督をするようになり、自分のフィールドではできる限りのことはやりたいと思っています。外から見たら、「多緒はあんなこと言ってるけれど、こういうことやってるじゃん」と突かれるところが出てくるかもしれないけれど、私なりに調べて仕事をしているし、バランスを取りながら自分が自由にできるところで還元していきたいです。
木村:スタイリストは主に服を売るために宣伝する立場なので、折り合いは難しく、毎回葛藤しています。ただ、雑誌ではファッションの企画にもサステナブルなブランドが掲載アイテムの中に入るように努めています。特にブランドの取り組みや、アイテムの背景にあるストーリーを伝えることを意識しています。
同業者の共感を広げるために
WWD:皆さんが重視していることは?
RIKKI:大前提として、素敵なものを買ったら、実は環境配慮を意識していたとなること。僕のアプローチは、サステナブル云々を意識させない作り方。今日のこのスタジオも、使ったら結果的に電力は再エネで賄っていて、環境負荷が軽減している――そこまでをパッケージングで提供しています。できる人から行動に移していかないと、世の中にはなかなか浸透していかないと思うので。