表紙撮影のクリエイターが本音を語り合う クリエイションとサステナは両立する?
WWD:化粧品を作る立場になって、サステナビリティへの考えに変化はありましたか?
MICHIRU:持続可能な商品作りのためにも、植物の生育環境や作る人たちのサポートにも気を配るようになりましたし、中でもパッケージの問題は大きいですね。破棄に苦労するパッケージが多いのは事実なので、「MIMC」でも配慮するようになりました。昨年のクリスマスコフレでは、実験的に古紙から作ったプラスチックのような見た目のパッケージを導入しました。高い技術でコストはかかりますが、環境には変えられない。作る側が責任を持って意識することが大切ですよね。
WWD:多緒さんが関心を持ったのはいつごろ?
多緒:私が小学生のころ、酸性雨や温暖化というワードをよく耳にするようになりました。環境以外でも大人に対して怒りを持っている子供でしたが、大人になり、夢を追いかけるうちに、いつのまにか二の次に。それを目覚めさせてくれたのが、2019年にドラマ撮影のために住んでいたカリフォルニアで頻発していた山火事や、国連でのグレタ・トゥンベリさんの怒りのスピーチ。かつて同じような立場だった私は、責められる大人側になってしまっていた。どのようにペイバックできるかを考え、行動を変えていき今に至ります。
WWD:GOTOさんは?
JUN GOTO(以下、GOTO):美容師としてサロンで働いていた約25年前は、今に比べると体や環境に配慮した整髪料やカラー剤、パーマ剤はないに等しかった。トレンドを追いかける部分がありながらも、ヘア剤によるアレルギー反応を起こす人もいたので、ずっと疑問でした。コロナを機に、環境や体に配慮した商品を作りたいという思いが湧きました。
WWD:原料へのこだわりは大事ですよね。木村さんは?
木村:私は特別な出来事があったわけではなく、なんとなくモヤモヤする感じ。“サステナビリティ”というワードが出てきて、ヨーロッパのブランドもいろいろな取り組みをスタートし、何かやらなければという気持ちが膨らんでいきました。自分のポジションを生かしてできることを考え、雑誌「ギンザ」のウェブ版で、サステナビリティを意識したライフスタイルについて、自分自身で書くコラム連載をスタートさせました。第1回はエコバッグの話で、その後はコンポストなど、身近なトピックを心掛けています。そのような行動自体がファッショナブルだと伝わればいいですね。