【ジャガー・ルクルト】「レベルソ」はなぜ人気? その魅力とは? 腕時計のプロが解説【大人の一生モノ腕時計】
UOMOが以前行った「次に欲しい腕時計」アンケートでも高い人気を集めたジャガー・ルクルトの「レベルソ」。シンプルで小さめな時計のため、服を選ばず合わせやすいという意見がおしゃれな大人たちから寄せられた。1833年に創業したジャガー・ルクルトの傑作といわれる「レベルソ」は、一体何がすごいのか? その特徴と人気の理由を解説。 【写真】ジャガー・ルクルトの傑作「レベルソ」の画像をもっと見る
「ジャガー・ルクルト」は時計業界人が敬意を抱く名門
仕事柄、おすすめの時計は何ですか? と聞かれることが多い。そこに必ず挙げるのが、ジャガー・ルクルトの「レべルソ」だ。 1833年に創業したジャガー・ルクルトは、これまでに430以上の特許を取得し、1300種のムーブメントを製作してきた実力派マニュファクチュール。当然スイス時計業界で働く人たちにとっては、敬意を抱く対象である。
独創的なケース構造と普遍の美が融合
ではなぜ、「レベルソ」はこれほどまでに業界支持率が高いのか? まずはゆるぎないデザインコードにある。そもそもこの時計は、インドに駐留していた英国軍の将校が、ポロ競技中に風防が割れないような時計が欲しいと注文してきたことから始まる。その答えとして提案したのが、ケース自体が反転して風防を内側に隠すという驚異的なケース構造だった。“世紀の反転”とも呼ばれた反転ケースによって、この時計の個性は決定づけられた。 さらにケースを反転させるために採用された角形ケースは、当時のデザイントレンドでもあった「アールデコ」と結びついた。シャープな直線と優雅なカーブを合わせもったこの様式には普遍的な美しさがあり、しかもレベルソのケースの縦横比は誰もが美しいと感じる「黄金比」から導き出されたもの。独創的なケース構造と普遍の美が融合した時計が、人気を集めるのは当然であろう。
反転ケースへのあくなき探求心
レベルソの名声がさらに高まったのは、反転するケースの裏側にも機構を搭載するようになった1994年に発売された「レベルソ・デュオ」からだろう。小さなケースにムーブメントを収めるだけでも困難だが、このモデルは裏面にも時分針を搭載しており、しかも異なる時間を表示することができた。そのうえ、ケースをひっくり返すだけで異なるタイムゾーンを行ったり来たり出来るという機能性も備わっている。それはジャガー・ルクルトの技術力の賜物でもあり、レベルソの特殊なケース構造の賜物でもあった。 ジャガー・ルクルト「レベルソ」は、時計界におけるマスターピースのひとつであり、誰もが納得する選択肢となる。しかもメカニズムを通じて知的好奇心を刺激し、そして思い出深い宝物にもなる。その楽しみ方の広さも魅力となっている。