ブッダの「死因」あまりに意外だった!【東大卒ニートが解説】
そんな仏教の危機にあらわれたのが、インドのひろゆき、龍樹である。 龍樹は天才であったが、あたまでっかちではなかった。黒歴史をへて、仏教の道にはいったのだ。 「人間性おわってても、変われる」ということを身をもって体現したのである。 そして、700年間の議論のすべてを「くだらねぇ言葉遊び」と論破し、衝撃の結論にいたる。 龍樹によって、200巻のボリュームになっていたブッダの教えは、わずか1文字になったのだ。ひ…ひともじ…そんな減る!? 「空(くう)」である。 この世界はすべて「空」である。 龍樹によって、仏教は、超シンプルな教えになり、誰でもだいじょうぶな仏教、その名も「だいじょう仏教」(大乗仏教)として、大復活をとげた。 龍樹のおかげで、仏教は世界宗教になる。日本の仏教も、ほぼぜんぶ大乗仏教である。 その「空」とはいったい何なのか?
この世界はすべて「空」である。どういうことか。龍樹のことばを紹介しよう。 この世のすべては、ただ心のみであって、 あたかも幻のすがたのように存在している。(『大乗についての二十詩句篇』18) すべては「幻」である。こういいかえてみよう。 この世界はすべて「フィクション」である。ということだ。 「フィクション」。このひとことで、ブッダの「自分がない」の意味が、超クリアになるのだ。
しんめいP/鎌田東二