【チャンピオンズC・先手必勝】鞍上にムーアを配し〝激走ムード〟 惨敗後でもドゥラエレーデは今回こそが買い時!?
[GⅠチャンピオンズカップ=2024年12月1日(日曜)3歳上、中京競馬場・ダート1800メートル] 下半期のダート王決定戦、GⅠチャンピオンズカップに、有終Vを狙う昨年の勝ち馬レモンポップを筆頭に、ウィルソンテソーロやサンライズジパングなど多士済々のメンバーが揃った。当欄注目はドゥラエレーデ(牡4・池添)。昨年、9番人気3着に激走した気まぐれダークホースが、今年も暮れの尾張に「砂嵐」を巻き起こす。 人気薄のGⅠで3着に激走したかと思えば、本命視されたGⅢで2秒以上離される大敗…。現役屈指のムラ駆けホース・ドゥラエレーデは、買い時が非常に難しい。前走で走ったからといって安易に飛びつけないのはファンもすでにご存じだろう。 ただ、逆もまたしかり。不発に終わった後でも見限れないのがこの馬の面白さだ。22年のGⅠホープフルSを14番人気で制したように、ハマったときのパンチ力はこのメンバーに入ってもヒケを取らない。 気分屋のご機嫌(好走)をどうやって見抜けばいいのか? 管理する池添調教師は「好位で流れに乗って自分の競馬ができるかがカギ」と話す。前走・みやこS(11着)を改めて振り返ってみよう。課題の発馬は五分に決めたが、内枠(3番枠)もあって道中は馬群でモマれる形。1コーナーで頭を上げたり、勝負どころでフワッとする場面があった。指揮官も「流れの中でかみ合わない競馬になった」とサバサバ話す不完全燃焼の一戦なら、大敗も気にする必要はない。 芝ではあるが、2走前の札幌記念(10着)についても言及しておく。中1週と間隔が詰まっていたこともあってかゲートの駐立が悪く、伸び上がるように出てポジションが後ろに。こちらも前述したトレーナーが指摘する好走パターンから外れていた。 ちょっとしたボタンのかけ違いで、レースが急転直下してしまうデリケートなタイプ。この馬をエスコートするには卓越した技術が必要だ。だからこそのライアン・ムーア。世界の頂点を極めた“腕”に、東スポ杯2歳S(4着)以来2年ぶりのコントロールを任せた。 もちろん、最強鞍上を迎えるだけで陣営がやることは終わりではない。「中間はゲートで縛って練習しているし、うまくスタートを決めて展開がかみ合えば」と話すトレーナー。“初動”のミスを防ぐことから始まり、細心の注意を払って万全の調整を施している。 昨年9番人気3着に来た舞台。この中京ダート1800メートルはスタートしてから1コーナーまでの距離が短いため、ある程度出していっても向正面までにひと息入れやすい。好位で自分の形に持ち込みたいドゥラエレーデにとって、色気を持って臨める条件と言える。 過去に何度も意外性のある走りで、ファンをアッと言わせてきたドゥラエレーデ。ムーア鞍上で期待度がグンとアップすると同時に、配当妙味が下がってしまうのは、穴党にとって複雑…。それでも2桁着順2連発の馬を積極的に買おうとする人は少ないだろう。惨敗後に買い控えるのではなく、惨敗後だからこそ買いに出る――。それがドゥラエレーデとの最もいい付き合い方かもしれない。
東スポ競馬編集部