ロバート・デ・ニーロと共に出店した日本人シェフのレストラン「NOBU」が30周年!ノブ・グループのオーナーの松久信幸にインタビュー
世界各地に展開しているレストラン「NOBU(ノブ)」のオーナーであり、世界でも有名なすし職人である松久信幸氏(1949年埼玉県生まれ)の料理を味わった後に、彼にインタビューするという喜びに満ちた体験がかなった。 【写真】マグロと熱いキスも!「NOBU」のオーナー松久信幸の姿 彼と話すのはこれが2回目で、最初はスペインの「ノブ・ホテル・マルべーリャ*1」のオープニングだった。当時はビジネスパートナーであるロバート・デ・ニーロも一緒だったため、最初こそ名俳優に気を取られていたのは認める。しかし、2回目のインタビューでは違った。スペインのホテル「ノブ・ホテル・イビサ・ベイ*2」で行われた今回のインタビューでは、彼の話に釘付けになったのだ。 松久信幸氏は、類いまれなる才能、情熱、忍耐力を持ち合わせ、世界5大陸に展開する美食とホテルの帝国を築き上げた。1987年にカリフォルニア州ビバリーヒルズにレストラン「Matsuhisa(マツヒサ)」をオープンすると、1994年には俳優で映画監督のロバート・デ・ニーロ、映画プロデューサーのメイヤー・テーパーとともにニューヨークにレストラン「ノブ」をオープンし、2013年にはホテル業界にも進出。現在ノブ・グループは、世界中に50以上のレストランと20以上のホテルを展開している。
父の足跡をたどりペルーへ
「子どもの頃、私には大きな夢が2つありました。それはすし職人になることと、世界を旅することです。父は私が7歳のときに交通事故で亡くなりました。とても寂しくて、父が世界各地で撮った写真を幾度も眺めていました。父は偉大な旅行者で、遠い国で部族と一緒にポーズをとっている父の写真に心を掴まれていました。すし職人として働き始めて数年たった頃、ペルーでの仕事のオファーを受け、迷わずその仕事を選びました。そこには、父が訪れたことがありそうな部族がいると聞き、とても興奮しましたね。それはまるで父の足跡をたどり、何度も見たあの写真を再現するような感覚だったのです」