<春に輝け・常総学院の挑戦2021>選手紹介/2 田辺広大捕手(2年) 厚い信頼置かれる主将 /茨城
◇田辺広大(こうた)捕手 関東大会準々決勝・木更津総合戦。バッテリーを組む秋本璃空(りく)の投球に違和感を覚え、タイムを取った。「監督にいつもなんて言われてる」。駆け寄って尋ねると、「丁寧に投げること」と返ってきた。エースの調子が戻って来たのは、このやり取りの後だ。 緊張している相手に、一方的に声をかけても響かない。「本人に振り返らせることで、テーマを思い出させる」。メンバーの心理状態を把握し、適切に誘導する。捕手として、主将としての経験が生きた瞬間だった。 二塁手から捕手に転向したのは、2020年1月。マスクをかぶるのは中学1年以来だが、新チーム発足以来、その席を譲ったことはない。関東大会でたたき出した打率は4割7分1厘。打撃面でもチームの要だ。 主将として練習では誰よりも声を出し、厳しくメンバーを叱責する。「指摘し合わないと本当の試合でミスしたときに悔いが残る」。グラウンドでの真面目で厳しい表情は、寮に帰ると一変する。プライベートでの顔は、チームの和ませ役。オンとオフの切り替えも模範になっている。 メンバーから外れた部員を励まし、ともに泣いたこともある。厚い信頼を置かれる主将は、今日もチームを支えている。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇選手データ ▽神奈川・市場中出身 ▽身長173センチ、体重75キロ ▽右投げ、右打ち