「日本車王国」タイに迫る中国EVの影 カフェ文化も独特、バンコク探訪記
■若い世代がけん引 個性豊かなタイのカフェ
ここ約10年の間、バンコクを中心にタイのコーヒー文化は更なる発展を遂げました。2013年にバンコクで誕生したカフェ「ブレイブロースターズ」が欧米で先行的に定着したライトロースト(浅煎り)のコーヒーを提供し始めたことがブームの火付け役となり、個性豊かなカフェが数多く生まれました。若い世代の起業家がカフェオーナーになったり、海外のバリスタコンテストに挑戦する若者が増えたりしたことも、タイのカフェ文化の成長をけん引しました。 私のオススメはタラートノイにあるホン・シェン・コン(Hong Sieng Kong、鴻仙恭)。2021年にオープンしたばかりのカフェですが、チャオプラヤー川沿いの古い建物を改装してつくられており、中国の骨董品に囲まれたノスタルジックな空間でゆったりとおいしいコーヒーを味わうことができます。晴れた日は、川沿いのテラス席で風に当たって涼みながらコーヒーを飲むのも気持ち良いですよ(最近の夏は日本よりタイの方が気温は低いです)。 このカフェのオススメは「タラートノイ・オレンジコーヒー」です。タイでは一風変わったコーヒードリンクが続々と誕生していて、多くはコーヒーと何かをミックスしたものです。オレンジコーヒーはその名の通り、オレンジジュースをグラスに入れてから、アイスコーヒーを注いだシンプルなもの。さっぱりとしたかんきつ感とコーヒーの苦味の連鎖が楽しめる、暑い日にぴったりの一杯です。
■暑さに疲れた体にあう 甘いアイスコーヒー
もうひとつ、タイで生まれたオススメのコーヒーに「エスイェン(ES YEN)」というものもあります。エスプレッソの略である「エス」に、冷たいという意味のタイ語「イェン」を合わせた造語で、エスプレッソに練乳、ガムシロップを加え、ミルクでマイルドに仕上げた上でたっぷりの氷を入れた東南アジアらしい甘めのアイスコーヒーです。 私がビジネス会食でもよく使うオススメのレストランに「シートラット(Sri Trat)」があります。バンコク中心部スクンビットエリアのプロンポン駅から歩いて10分程の場所にある、タイ東部トラート県の家庭料理を提供するお店です。 オーナーの祖母のレシピを基に、野菜やシーフードをうま味調味料ゼロで調理したおいしくてヘルシーな品々を味わうことができます。お店の中はタイの雰囲気に包まれていますが、ポップアートを壁面に施したりと落ち着いた感じの中にも楽しさがある居心地の良い空間。ランチでもディナーでも、食事をしながらビジネス会合ができるテーブルもそろっています。 このお店の定番はガーリックと白身魚のフライやソフトシェルクラブ(柔らかい殻のカニ)の唐揚げなどがありますが、私のオススメはドリアン入りマッサマンカレーです。ココナツベースのマイルドな味わいの鶏肉入りマッサマンカレーと、熟す前で匂いが全くなくシャキッとした歯応えのドリアンのコンビは絶妙で、タイのスパイシーな味の料理に胃が疲れた方や辛いものが苦手な方にオススメの一品です。