なぜ渋野日向子は東京五輪切符をつかめなかったのか…代表内定の畑岡奈紗と稲見萌寧のメダル可能性は?
東京五輪に出場するゴルフの日本代表が決まった。女子ゴルフの東京五輪代表を決める五輪ランキングの基となる最新の世界ランキングが29日、発表され、畑岡奈紗(22、アビームコンサルティング)が11位、稲見萌寧(21、都築電気)が27位となり、各国・地域上位2人(15位以内なら最大4人)のルールに従い、この2人が代表に内定した。畑岡は早々と1番手をキープ。注目の2番手争いは、ともに27日が最終日だった国内ツアー「アース・モンダミンカップ」、海外メジャー「全米女子プロ選手権」の“最終戦”までもつれ2番手にいた畑岡が逃げ切った。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で1年延期されなければ、代表入りが確実だった渋野日向子(22、サントリー)は31位で残念ながら涙をのんだ。古江彩佳(21、富士通)は29位だった。 渋野は大逆転の可能性を残して挑んだ「全米女子プロ選手権」で40位。稲見が「アース・モンダミンカップ」で予選落ちしたことでハードルは少し下がったとはいえ、逆転の条件は単独5位以上と高く、3番手の古江が優勝した場合は単独4位以上が必要だった。 第2ラウンド終了後には帰国に向けて受検したPCR検査で、藤野圭祐キャディーが陽性反応を示し、渋野は急きょ現地のキャディーにバッグを担いでもらうアクシデントにも見舞われた。第3ラウンドの17番(パー3)では、ティーショットを池に入れるまさかの池ぽちゃ4連発で自己ワーストの「10」の大たたきで68位に後退。最終ラウンドは6バーディー、1ボギーの67をマークする意地を見せたが、時すでに遅しだった。 1年前の6月末の渋野の世界ランキングは13位だった。11月30日付で16位に下がり、国内ツアーで2週連続優勝するなど14位に躍進した古江に初めて抜かれた。だが、12月の「全米女子オープン」で4位に入り、日本勢2番手の座を奪い返してからは今年4月までは、その座を守ってきた。 この2カ月ほどでランキングが急降下した理由は明白だ。 4月上旬の海外メジャー「ANAインスピレーション」から「全米女子プロ選手権」まで一度も帰国することなく、主催者推薦枠も使って米ツアーに出場してきた。世界ランキングのポイント配分が高い米ツアーで結果を残していれば、今年に入って国内ツアー5勝など急成長した稲見の後塵を拝することもなかったが、4月からの7試合で最高は5月の「ピュアシルク選手権」の31位。メジャーの「ANAインスピレーション」「全米女子オープン」は予選落ちとポイントを上積みすることはできなかった。