私が腰痛・坐骨神経痛を自分で完全克服した方法【川口陽海の腰痛改善教室】
痛みの真の原因は脳
さらに私自身の痛み理解と克服に大きな影響があったのは、『腰痛など慢性痛の真の原因は脳の鎮痛機能の低下』にあるというエビデンスです。 これはここ5~6年くらいのごく最近のトピックですが、 『脳にはもともと痛みをやわらげる仕組み(働き・機能)があり、慢性痛の人の脳の中ではその機能が低下している』 『いわば、脳が痛みに過敏になってしまっている』 『本当に生じている痛みは10とか20だとしても、鎮痛機能が低下しているとそれを脳が100とか200として感知してしまうことがある』 『ストレスが腰痛などの原因になるのは、これが原因』 というようなことがわかってきたのです。 これはMRIなどの画像検査の精度があがってきたことや、AIにより大量の画像データを比較調査することができるようになったことによる成果です。 慢性痛の人の全身のMRI画像を健常者と比較調査した結果、脳の一部に違い(異常)が生じていることがわかったのです。 そして同時に、その脳の鎮痛機能の低下を改善する方法もわかりました。 『痛みを必要以上に恐れないこと』 『活動量を減らさないこと。寝込むと余計悪くなる』 『積極的に運動すること。運動することで脳の血流が良くなり、鎮痛機能の回復につながる』 『痛みに集中しないようにする。できるだけ楽しいと感じることをすると良い』 『呼吸法や瞑想なども脳の鎮痛機能回復に効果がある』 などなど、心理療法的なアプローチや運動療法的なアプローチが効果があることがわかってきたのです。 これって薬か手術しか選択肢がなかった時代からすると、本当にすごいことだと思いませんか? 自分で改善する方法がたくさんあるということです。 いまでは病院でもこのようなエビデンスに基づいて、薬も利用して痛みを抑えながら、積極的な運動をしたり痛みに対する考え方を変えたりするなどの方法を指導されているところが増えてきています。