入学後3週間で不登校になった息子「学童で見るテレビが怖い」HSCだから?【沢木ラクダさんの体験記】
小中学生の不登校が増加している
沢木さん:2023年度の文部科学省の調査(「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)によると、年間に30日以上欠席する不登校の小中学生は約35万人いて、11 年連続で増えています。 不登校と言っても、学校に行かなくなる理由や背景は一人ひとり異なり、我が家のケースがそのままほかの子に当てはまるわけではありません。ただ、共通する社会環境があることも見落としてはいけないと感じています。むずかしいのは、子どもがリアルタイムでは、「学校に行きたくない」理由を自ら明確には説明できないことです。 我が家のケースでは、学童で見るテレビが怖かったことからはじまり、ルールの多い学校の窮屈さ、叱りや注意の多い先生への恐怖、教室に友だちがいない孤独、授業についていけないしんどさ、そんな環境に置き去りにされる不安、自分の気持ちを理解してくれない両親への不信などがあいまって、「学校には行きたくない」と明確に主張するようになったように思います。
行きしぶりは切実なアラート
我が子は、ひといちばい感受性が強いことで、刺激が多く、集団のペースで物事が進むことが多い学校の環境に不安や困難を抱えがちです。ですが、困っているのは感受性の強い子どもばかりではないでしょう。 一人ひとりの子どもの成長を待ち、じっくりと寄り添い切れない社会環境が、いまさまざまな問題を表面化させているのではないか、と我が身を振り返りながら思います。 不登校はその一つのあらわれで、行きしぶりは周囲の大人への子どもたちの切実なアラートなのではないでしょうか。どんな子どもにとっても、入学おめでとう、と心から言える、そんな学びの場をぼくたち大人はつくっていけるでしょうか。 ※ここまでは『せんさいなぼくは小学生になれないの?』(沢木ラクダ・著/小学館)の一部から引用・再構成しています。
文・構成/国松薫