入学後3週間で不登校になった息子「学童で見るテレビが怖い」HSCだから?【沢木ラクダさんの体験記】
【4月20日】行きしぶりは環境への敏感さから?
沢木さん:4月20日(水)。入学してから、ずっと夫婦交代で付き添い登校を続けていました。少しずつ一人で学校にいられる日も増えてきていたのですが、その朝は、家を出発するときから、息子が「教室までついてきてほしい」と自分から言ったんです。その日も私が息子の登校に付き添いました。 振り返れば、このあたりで息子は教室に対する不安のSOSサインを出していたんだと思います。本人が叱られるわけではないのですが、息子の担任の先生が(時には理不尽な)厳しい指導をしがちで、教室環境に強く不安を覚えていたことが後になってわかりました。 1時間目は体育だったので、グラウンドに移動。グラウンドで別れる約束をしましたが、息子は私から離れません。抱きついてくる手を何度も振り払い、別れようとするのですが、グラウンドに着いても、約束を守らず離れません。 そのうち授業が終わり、みんな教室に戻りました。先生は「昨日も学童に行くときは泣いていましたが、離れてしまえば切り替えられたようです。ここでさよならしましょう」と息子を後ろから抱きかかえて引き離しました。 沢木さん:「い や だ ──」と、息子は大声で泣き叫びましたが、もうこのタイミングで離れるしかないだろうと、私は足早にその場を離れました。でもほっとするというよりは、ひたすら不安になりました。 結果としては、この無理な引き離しが息子の不登校の大きなきっかけになってしまいました。 不登校支援の専門家は安心すれば子どもは自然と親元から離れると口をそろえて言います。無理な引き離しは、抑うつや癇癪など二次障害につながりうるので、避けたほうがよかったことものちに知ります。 その日、息子が寝たあと、妻と2時間ほど話し合いました。テーマは「HSC」について。数日前、妻が「息子はこれなのかもしれない」とネットの記事を見つけてきて、初めて知りました。息子の特性との一致に驚くのと同時に、息子の特性をどう理解していけばサポートできるかがわかるきっかけになっていきました。