〈湘南へ、食材買い出しショートトリップ〉でおうちごはんを格上げ【人気料理家arikoさんのおいしい大人旅⑥】
「おいしい情報ならこの人」という信頼厚い人気料理家arikoさんがおいしい旅話を伝えてくれるエッセイ本『添乗員ariko まだまだおいしい日本の旅』が刊行されます。おいしいもの目当てで旅先を決めることも多いというarikoさんに出版を記念しておいしい旅話をおすそ分けしていただきます。今回は日帰りでの〈食材買い出し旅〉についてのお話です! 【写真】全国4ヵ所の蔦屋書店にて、ポップアップフェア「ariko商店」開催中。プレミアムトマトジュースも買えちゃいます!
〈食材買い出し旅〉でいつものごはんをもっとおいしく!
先日、〈おいしい旅〉をテーマとした書籍『添乗員ariko まだまだ日本のおいしい旅』を刊行しました。こちらではさまざまな旅について語っていますが、旅といっても、何泊か泊まるものばかりを旅というのではないと思っています。近場の日帰りであっても旅は旅。非日常感を味わえたなら、気持ちもリフレッシュして翌日からの仕事も頑張れるというものです。 本書でも湘南方面や鎌倉方面の買い出し旅をご紹介しています。東京では手に入らない鮮度のいい魚介や野菜を直売価格で買えたり、現地でしか手に入らない名物に出会えたりするのは嬉しいもの。今回は、「食材調達を旅の目的にしてみませんか?」というテーマでおすすめの場所をご紹介します。ご参考になりましたら幸いです。 新鮮な野菜目当てに訪れるのが、JAよこすか葉山が経営する農産物直売所の「すかなごっそ」。地元農家さんによる新鮮な野菜が、朝採れの状態でズラッと並んでいるのがまず圧巻! 品種ごとに並んだ野菜には、生産者の名前が記されているので同じ野菜でも特徴が違います。私がいつも狙っているのが〈よねこ農園〉のもの。元料理人というご主人が作る多種多彩な野菜はどれもパツパツとしていて味が濃いのです。ただし出品している量が少ないので、見つけたときはラッキー!と心中、小躍りして連れて帰ります。 すかなごっその道を挟んだ場所には、いちごの直売所「いちごはうす嘉山農園」があります。こちらのいちごは香りが良くて、味にコクがあるのです。箱詰めのいちごを車に積んで走っていると車内が甘い匂いに包まれて、なんとも幸せな気持ちに。こちらへ行く際は、事前の電話予約をおすすめします。大粒の甘ーいいちごを使った、いちご大福や手作りジャムもお忘れなく。 新鮮な野菜を調達したら次は魚介を買いに、目指すは佐島漁港近くの鮮魚店へ。「丸吉商店」「大翔水産」の2軒の並びで品定めはいかがでしょう。それぞれ特徴が違うので、両方を吟味しつつ回ります。都内ではお目にかかれない小さいサイズのイワシやアジ、イカなどが皿盛りで並んでいるのも嬉しくなってしまいます。これらをシンプルに揚げて、レモンをぎゅっと絞っていただくと最高! ビールやワインが進むいいおつまみになります。調理法なども親切に教えてもらえるので、質問があれば臆せずお店の方に聞いてみるのをおすすめします。 余裕があれば足を伸ばして、茅ヶ崎の「ロココファーム」も訪れてみてください。大玉のロココトマトを使ったプレミアムトマトジュースは完熟トマトそのもの。私はお気に入りすぎて、もはやお取り寄せして毎日飲んでいます。口当たりなめらかなトマトピューレは、トマトの甘み・酸味・旨みが凝縮された味わいで、パスタにスープに煮込みに、いろいろな料理に応用できます。 買い出し旅のダメ押し(?)として、「葉山ステーション」もぜひ立ち寄ってみてください。葉山の人気精肉店「旭屋牛肉店」(コロッケサンドが人気ですが、焼豚と焼売、ポテサラも)や人気スーパー「SUZUKIYA」、パンの名店「プレドール」(エシレバターを使った角食を)も入っています。新鮮な野菜のいい合いの手になる「逗子サンダウナー」の生ドレッシングは今や入手困難の逸品。「HINODE EN CAFE」の抹茶やほうじ茶のソフトクリームもお腹に余裕があれば…… これで気持ちも晴々と、思い残すことなく帰途につけるはずです!笑 そして、こうした食材調達を目的とした旅に欠かせないのが、優秀な保冷バッグ。私が愛用しているのは、東原亜希さんがプロデュースしたMotherのクーラーバッグです。一見、保冷バッグに見えないおしゃれなデザインが気に入っています。とても軽いので、一泊くらいの旅の場合はこちらを旅バッグにすることも。ちなみに、おみやげが増えそうな旅では、クーラーポーチもおすすめ。こちらも軽いうえに折りたためるので、トランクに入れておくと、旅先で気になったお菓子や冷蔵の食材も心置きなく買えます。 いつものおうちごはんを格上げする〈食材調達ショートトリップ〉。家族と、友人と、誘い合って行ってみてはどうでしょうか? ariko/ありこ 人気ファッション誌を担当するエディター、ライター。インスタグラム(@ariko418/フォロワー数22万人超)でのセンスあふれる料理の写真と食いしん坊の記録が話題を呼び、「おいしい情報なら間違いない」と信頼される存在に。レシピ本を多数刊行している料理家でもある。著書に『arikoの食卓』シリーズ(ワニブックス)、『arikoのごはん』『arikoのおいしいルーティン』(講談社)、『ありこんだて』(光文社)ほか。 文/ariko