あなたも危ない! 今、日本人の目と歯に起きていること(専門家が監修)
歯科健診が遂に義務化する日がくる!
2022年、政府は骨太方針のひとつとして「国民皆歯科健診」の具体的検討を推進することを明記した。これ、将来的に全世代の日本人の歯科健診が義務化されるということ。 「今、歯科健診が義務づけられているのは一般的に1歳半と3歳、小中高の学校健診だけです。それ以降は自分から歯科医院に行かない限り、受ける機会はありません」 と、日本歯科大学新潟生命歯学部長の中原賢教授。 「目的は主に歯周病の予防にあります。歯周病菌が脳梗塞や心筋梗塞などの全身症状の原因となる可能性が示され、認知症との関連の研究も進んでいます。歯科健診での口腔ケアでこうした病気を防ぎ、健康寿命を延伸するのがひとつの目的です」 下のグラフの通り、定期的に歯科医院を受診している割合は全体の5割で、「受けたこともない」という人が1割強も存在する。痛くなったり不具合が生じて初めて歯医者に行く、というのが多くの日本人の感覚。来る人生100年時代、もうそれでは通用しないということかも。
歯科医院での定期チェック受診状況
全体としては定期的に受診している人は50%。男性は48%で女性は52%と男女別では女性の方が受診率は高く、また年代が高まるにつれ受診率が高くなる。
新常識「デンタルIQ」を知っているか?
日本歯科医師会は2021年に行った1万人の実態調査で、「デンタルIQ」という言葉の認知度を尋ねている。この言葉は「自分の歯と口の健康についての関心や意識の度合い」を意味するもの。IQが高い人ほど歯に対する健康意識がより高いということになる。 欧米人は子どもの頃に歯列矯正するのが当たり前。大人になっても定期的に歯科健診を受け、歯周病になった場合、担当の歯科医師を訴える人さえいるという話もある。つまり、デンタルIQが日本人に比べてめちゃめちゃ高い。 素晴らしい歯並びで自信たっぷりの笑顔を浮かべる欧米人に対し、乱杭歯を指して「八重歯は愛嬌があるからね」などと言っている日本人はここらでちょっと意識を改めた方がいい。 手始めに自分のデンタルIQを診断できる下のテストを試してみてほしい。15の項目を○×形式で答えていき、正解数が12個以上なら高め、10~11個なら中くらい、9個以下なら低めとなる。