あなたも危ない! 今、日本人の目と歯に起きていること(専門家が監修)
中途失明の原因第1位は緑内障
聞いたことはあるけれど今のところリアルな自分ごととは思えない。それが緑内障という病。ところが、下のグラフをご覧の通り、失明の原因トップがこの病気。40代以上の5%は緑内障患者だという。 「昔は糖尿病による失明などが多かったのですが、近年は治療法が確立されて失明にまで至るリスクが減っています。緑内障は唯一増えつつある目の病気で、アジアではとくにその傾向が強いです」 パターンとしては、40代中盤頃から発症して10年くらいは自覚症状がないまま進行する、65歳の退職の時期に中期の状態になり85歳くらいで失明状態に陥るケース。緑内障の主な原因は眼圧の上昇だが、日本人は正常眼圧の患者が多く、血流の悪化や酸化ストレスで緑内障にかかる人が多いのだとか。 「5年に一度でもいいのできちんと健診を受ければ目は守れます。80歳以降、感覚器が健康でないと人生楽しくありません。今のうちに自発的な対策を講じましょう」
日本における中途失明の原因
数値は岡山大学を中心とする厚生労働省研究班調べ(2015年度)。日本緑内障学会が2000~2001年に行った調査では40代以降の緑内障有病者は20人に1人。その後も緑内障による失明は減る傾向なし。
スマホのガン見で目の寿命が縮まる?
移動中はもちろん、食事中、ベッドの中、片時もスマホを離さずガン見している人は少なくない。 「本を読むときの目と本の距離は33cmくらいですが、スマホは20cm以下。目からの距離が近いとピントが合わないところが出てきます。視野の真ん中には集中できますが、周辺がぼやけると眼球は前後の長さを伸ばしてピントを合わせようとします。つまりそれが近視になる要因に」 さらに利き目ばかりを使ってスマホを見続けることで斜視のリスクが高まる可能性があるという説も。 「デジタルデバイスの多用で近視になると、将来緑内障や網膜剝離などの病気のリスクが10倍、20倍に増えます。目の寿命はおよそ60歳。それを越えると眼科を受診する患者さんが実際に増えているからです。目の不調を放っておくと、60歳くらいからいろんな意味で病気のリスクが高まると思います」 今ケアしなければ寿命100年分の視覚は担保できないのだ。