あなたも危ない! 今、日本人の目と歯に起きていること(専門家が監修)
年代別残存歯数の平均
80代になると日本人に残された歯の平均数はわずか13本。一方、歯科先進国といわれるスウェーデンは21本以上。
歯周病が急増中。鍵を握るのは40代でのケア
まずは上のグラフをご覧いただこう。これは4mm以上の歯周ポケットがあるという人の年代別の推移を表したもの。歯周ポケットは歯と歯茎の間にある溝のことで、健康な人はせいぜい1mm程度。4mmとなると立派な歯周病患者だ。 「歯周病の方はかなり多く、しかも過去よりも今の方が増えています。40代から50代は半分以上、40代以降の8割は歯周病という説もあります。虫歯は減って歯は残っているんですが、その残っている歯が歯周病になっている可能性があるのです」 現在、歯を失う原因は虫歯より歯周病であるというのが現実であり定説になりつつある。つまり、虫歯から逃れて残った歯が歯周病にやられて80歳で13本という残念なことになっている可能性が高いのだ。 「すでに述べたように40代前半ではすべての歯が残っているという人は多いんです。ですから歯の健康のターニングポイントは40代からというイメージです」 80歳になるなんてまだまだ先のこと、と呑気に言っていられない。
取材・文/石飛カノ(初出『Tarzan』No.844・2022年10月20日発売)