新型コロナとともに生きる「新しい生活様式」専門家会議の提言とは
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が出した「非常事態宣言」は5月6日に期限を迎え、1か月程度延長される方針だと伝えられている。 【動画】政府の専門家会議 感染者減でも「外出自粛などの継続」提言(2020年5月1日) 4月7日に7都府県に対して発出された後、16日に対象が全国へ拡大された。最初の発出から1か月近く経った5月1日、政府の専門家会議は、これまでの外出自粛などの取り組みは「一定の成果はあった」とする「状況分析と提言」を発表し、想定していた感染者の減少スピードには達していないなどとして、引き続き現状の対策の枠組みを維持するべきだと訴えた。その上で、長丁場となることを見据えた今後の新型コロナウイルス対策のあり方を提言。感染状況に応じて「徹底的な対策を取る地域」「少し対策を緩める地域」と異なる対応を取るべきだとし、新しいウイルスとの共存も前提にした「新しい生活様式」への転換を提案した。
●新規感染者数は減少傾向
「オーバーシュート(爆発的な感染拡大)を避けて、収束の方に向かうことができた」。専門家会議で副座長を務める地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏は、緊急事態宣言やその前後から始まった外出自粛などの一連の国民の取り組みをこう評価し、協力に謝意を示した。 専門家会議がこの日公表した「提言」によると、4月10日前後には700人近くまで上昇していた確定日別の新規感染者数は、ここ1週間ほどは200人程度に収まる日も増えており、発症日ベースでも新規の感染者数は減少傾向であることがうかがわれるという。ただ、3月の3連休前の20日過ぎからの感染者の急増ペースに比べると、減少のスピードは緩やかだと分析する。 東京都の新規感染者数(確定日別)も、4月9日には250人近くだったが、4月下旬以降は100人を下回る日も出てきた。尾身氏は「東京では夜間の接待を伴う飲食店の感染者は著減している。一方、院内あるいは施設内の感染や、家庭内の感染の割合が増えている」と警鐘を鳴らした。 感染者数が倍増するまでの日数を示す倍加時間については、4月1日時点が2.3日(直近7日間)だったのに対し、5月1日時点では3.8日(同)と鈍化していることも明かした。 提言では「一定の成果が現れ始めている」と評価する一方で、「しかし、未だ、かなりの数の新規感染者数を認めており、 現在の水準は、データが明確に立ち上がりはじめた3月上旬やオーバーシュートの兆候を見せ始めた3月中旬前後の新規感染者数の水準までは下回っていない状況である」と注意を促した。