新型コロナとともに生きる「新しい生活様式」専門家会議の提言とは
●長丁場の闘い「第2波」も
この日の提言で、専門家会議は「この感染症への対応については、長丁場を覚悟しなければならない」とあらためて国民に呼びかけた。 尾身氏は語る。「日本の新規感染者は減少傾向になったが、地域で感染が再燃すれば、医療提供体制にさらなる負荷がかかってしまう。当面、今行われている(感染防止対策の)枠組みを維持すべきだというのがわれわれのコンセンサスだ」 海外に目を転じれば、欧州や北米ではいったん、今回の感染拡大のピークが過ぎつつあるとみられるものの、アフリカなどでは今後もまん延が継続する可能性があり、やはり「持続的な対策が必要」だとした。 ただ、それがあとどれくらいの期間にわたるかとの見通しについては「時期を明確に言えるようなウイルスではない。あまり1年とか半年とかということは残念ながら誰も言えない」と首を振った。 さらに「再流行」「第2波」の恐れも取りざたされている。「残念ながら今回のコロナ感染症は、1回(感染者数が)下がればそのままで終わりということは(なく)、実はそう簡単ではないウイルス。もう一度小さな波が来るということは当然あり得る。北海道はその例に当たる」。2月の感染拡大は抑制したものの、4月中旬以降から再び30~40人台の感染者数に増え出してきた北海道を引き合いに、新型コロナウイルスの手強さを語った。 その上で「むしろ大事なことは、その都度、必要だったら対策もそれに応じて変化させるということ」だとして、再流行が起きた場合には「高い(流行の)山に行く前に、すぐにもう一度抑える努力をする必要がある」と述べ、そのときの流行の状況に応じて柔軟に対策を取ることを繰り返していく必要があると呼びかけた。 第2波に関しては、欧州由来ウイルスによる感染流行も取りざたされている。国立感染症研究所がそれに関する研究結果を発表しているが、専門家会議の座長で国立感染症研究所所長の脇田隆字氏は「もともとの(ウイルスの)起源は中国の武漢の株で、それが欧州に伝播して、それがまたさらに日本にも入ってきている。それが『欧米株』というべきなのか、ある程度の変異を持ったものだということで、親子関係を調べてトレーシングをしている」と述べた上で、「今のところこの欧米株が新しい病原性を持っているとか、それから感染性が変わっているとか、そういった情報はない」との見方を示した。