神業FKは健在だった…遠藤保仁がジュビロ磐田移籍後初ゴール…奇跡のJ1昇格はなるのか
3分後にFWルキアンが決めたダメ押しのPKも、遠藤のスルーパスがもぎ取った。MF山田大記が右サイドから供給したパスを右足で受ける振りをしながら身体を反転させ、左足によるワンタッチパスでボランチを組む山本康裕をペナルティーエリア内へ走らせ、相手のファウルを誘ったのだ。 「少しずついいコンビネーションも出てきましたし、味方選手の特徴も把握できてきたので、これからさらにいいコンビネーションで得点の数を増やしていければいいかなと思っています」 すべてのゴールに絡む活躍をこう語った遠藤の加入後は3勝2分けと無敗が続き、順位も13位から8位へ浮上した。成績不振で解任されたフェルナンド・フベロ前監督に代わり、今月から指揮を執る鈴木政一監督は、出場可能になった試合ですべて先発させてきた遠藤がもたらす効果に目を細めた。 「彼は味方の選手の特徴を生かす判断のもとでプレーができる。今日のようにセットプレーで点が取れることもチームにとってプラスですし、慌てることなくボールと相手をしっかりと動かしながらチャンスメークできる部分でも非常に大きいと思っています」 指揮官交代と遠藤の加入までに多くの勝ち点を失った代償として、J1への昇格圏内となる2位とはまだ勝ち点で15ポイント差と離されている。ただ、来月1日の次節は首位のアビスパ福岡をホームに迎え、さらに敵地で2位の徳島ヴォルティスと対峙する、生きるか死ぬかの大一番が続く。 前半戦の対戦ではアビスパに0-1で、ヴォルティスには0-2でともに敗れている。しかし、当時とはまったく異なる、ボールを意図的かつ攻撃的に支配しながら、相手を疲弊させることのできるチームへと、遠藤の加入から3週間とたたないうちにジュビロは変貌を遂げつつある。 「首位を叩けば勝ち点差も縮まるので、ジュビロにとって非常に大事な試合になる。ただ、攻撃だけでなく守備の部分でもまだまだ課題が多い。日程が1週間空くことがほとんどなかったので、ここで自分が入った5試合をしっかりと振り返り、チームメイトやスタッフとコミュニケーションを取りながらいい練習をして、少しでもいい状態で福岡戦に入れるようにしたい」