外国人献金問題で前原氏は辞任 大臣辞任の「境界線」は? 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
■失態
「失態」は、辞任を逃れたとしても内閣改造の名目で事実上更迭されるケースが目立ちます。
【大臣辞任】
1)太田誠一農林水産大臣(福田内閣) いわゆる「事故米転売問題」で後手後手に回った農水省の失態でリーダーシップのなさを問われて辞任。当初大したことがないような雰囲気で事務方トップが「農水省に責任があるとは考えていない」とお気楽発言し、太田大臣も有毒性の高いメタミドホスが検出されているのも関わらず「低濃度で、人体への影響はないと言える。あまりじたばた騒いでいない」とこれまたお気楽発言。その後もミスや対応の甘さが続出して苦情が殺到した揚げ句、08年9月辞任 2)中川昭一財務大臣(麻生内閣) 09年2月、ローマで開かれたG7財務大臣・中央銀行総裁会議に出席後開かれた記者会見で「どうみても酔っぱらい」としか思えないような滑舌の悪さ、青ざめた表情、意味不明の発言などを世界にさらしてしまいました。与野党から「醜態だ」との声が上がり同月辞任
【辞任せず】
1)小池百合子防衛大臣(第一次安倍内閣) 事務方トップの守屋武昌事務次官との人事に関わる権力闘争が連日面白おかしく報じられるなか、内閣改造の3日前に「再任を固辞する」と表明。実際されませんでした。改造による事実上の更迭という報じられ方が嫌で首相の専権事項である大臣の任命を先回りして「あえて受けない」という格好をつけたかったともっぱら 2)仙谷由人内閣官房長官兼法務大臣(菅内閣) 沖縄県の尖閣諸島で中国漁船が海上保安庁の船と衝突した事件の対応など批判されて野党多数の参議院で問責決議を食らいました。辞任は否定するも約1か月半後の内閣改造で任を解かれます 3)馬淵澄夫国土交通大臣(菅内閣) やはり漁船衝突事件で映像が所管の海上保安庁職員(国土交通省外局)から流出したのをとがめられ問責決議可決。辞任は否定するも約1か月半後の内閣改造で任を解かれました 4)田中直紀防衛大臣(野田内閣) 国会答弁などで国防に関する無知をさらけ出したとしかいいいようのない珍発言を連発。内閣改造で任を解かれました