外国人献金問題で前原氏は辞任 大臣辞任の「境界線」は? 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
【辞任せず】
1)松岡利勝農林水産大臣(第一次安倍内閣) 「経常経費」の光熱水費が毎年500万円ほど支出されているのが問題視されます。使途を追及されて「なんとか還元水やら暖房やら」と苦しい答弁が続きました。他の疑惑が浮上するなか安倍首相はかばい続けるも07年5月自殺 2)石破茂防衛大臣(福田康夫内閣) 「政治団体」の資金管理団体が政治資金規正法が禁じる年間1000万円以上の寄付1050万円と収支報告書(04年)記載されているとわかりました。セーフとなった理由としてオーバー額が50万円と小さく、また寄付した者が石破氏本人と石破氏が代表を務める政党支部からのものと明らかであったのが大きい 3)渡海紀三朗文部科学大臣(福田内閣) 「政治団体」で渡海氏が代表を務める政党支部が国から公共事業を請け負っている建設会社から総選挙公示日と公示日前日に寄付を受けたとわかりました。公職選挙法は国と契約関係にある法人が候補者に国政選挙に関連した寄付を禁じています。渡海氏は「毎年寄付されており、『国政選挙に関連した寄付』ではない」と反論。確かに毎年の寄付は存在し、「国政選挙に関連した寄付」かどうかの証明も難しかったでしょう。 4)川端達夫文部科学大臣(鳩山由紀夫内閣) 09年9月の組閣直後に政党支部などの「政治団体」が東京・新宿のニューハーフショーパブや祇園の舞妓さんによる接待を「政治活動費」として収支報告書に記載。川端氏側は「法に基づいて正確、適切に記載」と回答する。まあそうなのでしょうけど。2010年1月には無料で借りている事務所に事務所費など経常経費を収支報告書に記載しているとわかります。このケースはアウトの可能性も濃厚。当時の鳩山政権は空前の人気だったので助かった面もあるかもしれません 5)荒井聡国家戦略大臣(菅内閣) 詳細は3日の記事「宮沢氏『SMバー支出』違法じゃないなら何が問題?」参照。辞任こそまぬかれたものの直後の内閣改造で大臣から外されました 6)前田武志国土交通大臣(野田内閣) 市長選挙に出た候補者対する投票呼びかけの文書に告示前に署名したり、国交省と密接な関係にある地元の建設業者にそれを送付していたとして公職選挙法が禁じている「事前運動」および「公務員の地位利用」になりかねないと野党が反発し参議院で問責決議可決。直後の内閣改造で任を解かれました