日本トップハードラーが“産後2年”でラグビー選手に? 女子陸上・寺田明日香が振り返る「異例の転身」のウラ側…直面した「アスリートの保活問題」
「家族でオリンピックを目指す」モチベーション
ラグビー時代から、果緒ちゃんを試合会場に連れて行くのは佐藤さんの役目。スタンドから見守る娘の存在が、寺田の大きな原動力だった。 「家族みんなでオリンピックを目指しているのだから頑張らなきゃというモチベーションは、1回目の陸上時代にはなかったものでした。娘はもう私がラグビーをやっていたのを覚えていないんじゃないかな……でも、冗談で『ラグビーやろうかな』と言うと『やだやだ! 』って全力で止められるんです。多分、私の怪我の記憶だけが残っているんでしょうね」 寺田の言う怪我とは、先述した右足腓骨の骨折のこと。半年間の離脱を余儀なくされ、東京五輪への道は大きく遠のいた。このままラグビーを続けるのか、再びアスリート人生を終えるのか。 悩んだすえに思いついたのは、「陸上の世界に戻る」という第三の選択肢だった――。 <次回へつづく>
(「オリンピックPRESS」荘司結有 = 文)
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