見えてきた立浪中日の全貌…宮本氏、落合氏、中村氏、片岡氏ら卓越した野球理論と絆で結ばれた”一丸内閣”
中日の次期監督として就任を要請されている立浪和義氏(52)が水面下で進めている新組閣の輪郭が見え始めてきた。ヘッドコーチとしてヤクルトOBでPL学園の後輩の宮本慎也氏(50)、投手コーチとして中日OBで韓国のサムスンで2軍監督を務めている落合英二氏(52)、打撃コーチとして近鉄、オリックス、中日、楽天、横浜DeNA、ドジャースなど日米で活躍した中村紀洋氏(48)、2軍監督としてPL学園の同級生で、阪神でヘッドコーチを経験した片岡篤史氏(52)の入閣を検討していることが15日、明らかになった。すでに非公式な打診が行われており、宮本氏以外の3人は入閣要請を快諾する方向とみられている。低迷脱却を狙う新チームは立浪氏との“絆“で結ばれた”一丸内閣”となりそうだ。
PL後輩でヤクルトOB宮本氏との非公式交渉は難航
“ミスタードラゴンズ“の動きは早かった。12日の午前中に加藤球団代表から新監督就任を要請されると、前向きに受諾する考えであることを伝え、引退して以来、これまでの12年間の“充電期間“に密かに温めてきた”立浪内閣”の実現に向けて水面下で非公式に動き出した。 コーチ陣にリストアップしている一人がPL学園で1年後輩にあたる宮本氏。ヤクルトOBで現役時代には2000本安打を達成、バントなどの小技に加えて、その高い守備力に定評がありゴールデングラブ賞を10度受賞、日本一を3度手にしている。WBCや、アテネ、北京五輪などの日本代表ではキャプテンを務めた強いリーダーシップと、故・野村克也氏の薫陶を受けたその卓越した野球理論を買われ、ヤクルトでは現役の終盤に1軍打撃コーチを兼任、2018年から2年間は、小川淳司監督(現GM)のもとでヘッドコーチも務めた。 立浪氏とは野球観が似ており、与田監督時代の中日に足りなかった相手チームの弱点をつく綿密な戦略の部分と妥協を許さない厳しさを兼ね備えた指導者である。 立浪氏はヘッドコーチのポストを用意。その宮本氏の手腕に期待を寄せ、非公式に声をかけた模様だが、まだ色良い返事はもらえていない。 2019年にチームの不振の責任を小川監督と共に取る形でヤクルトを去った宮本氏には、今なおヤクルトに恩返しをしなければならないとの思いが強く、また評論家活動などの契約問題から簡単に現場復帰できない事情もあり、現在、答えを保留している状況だという。宮本氏は昨年オフも阪神から水面下で守備を強化するためキャンプでの臨時守備コーチを打診されながら固辞した経緯があり交渉は難航しそうだ。 立浪氏は熱意をもって説得を続けているが、新体制のスタートまで時間は残されていない。新指揮官にとっては、宮本氏の入閣問題は悩ましい人事となっている。