中日の与田剛監督が語っていた退任真相
中日は与田剛監督(55)の退任と次期監督として球団OBの“ミスタードラゴンズ”立浪和義氏(52)に就任要請をしたことを明かした。与田監督は2019年に監督就任。1年目が5位、昨年は3位に入り8年ぶりのAクラス入りを果たしたが、3年契約の3年目の今季は優勝争いに参加できずBクラスに低迷。辞意を申し入れ、12日の試合前に選手にも退任を伝えた。実は、筆者の取材に対して、与田監督は「3年間優勝争いができずに、ファンの期待にも応えられなかった。悔しさはあるが、結果を残せなかったすべての責任は監督にある」と理由を説明していた。
「1年勝負。すべて僕の責任」
覚悟はできていた。10月に暦が変わったばかりの上旬…与田監督は、筆者の取材に対して辞意を漏らした。その段階ではシーズンが終わるまで沈黙を守る考えであることを明かしていたが、進退問題や次期監督に関する報道が出始めたため、加藤球団代表と話し合った上、ドラフト会議が終わり今季の本拠地最後の3連戦のカードを前にしたタイミングでの発表となった。 「結果がすべての世界。ファンの期待に応えることが出来なければユニホームを脱ぐ。それは覚悟の上でやってきたこと」 試合前のミーティングで今季限りの退任を選手全員に伝えたが、多くは語らなかった。 「監督になるときに選手が指導者に不安や不信感を抱かないようにできるだけ黙って見守ることを決めた。それが僕の監督としてのスタイル」 最後まで哲学を貫いた。 3年契約の3年目に優勝争いに絡めなかった。 「3年契約をしたが、この世界は、その途中で解除ということも珍しくない話。1年、1年が勝負という気持ちでやってきた。1年が終わった段階で、フロントと僕のお互いの意見があえば、次の1年があり、それがあわなければ終わるということ。これ(退任)は、いつか必ずくることで、結果を出せなかったのは、すべて僕の責任なんです」 異常とも言える得点力不足に苦しんだ。他の5チームは500点台に乗っているチーム得点数は391点、同じく他チームがすべて100本台に乗っているチーム本塁打数も69本で、得点、本塁打、打率ですべてリーグワースト。得点力不足を補うためのプラスアルファで考えていた機動力も、盗塁数57はリーグ5位となっている。 京田や昨年が終わった段階で「巨人や広島でもレギュラーを張れる」と与田監督が認めていた高橋らのきなみ不振。春先には、成長を期待した3年目の根尾を起用したが、伸び悩み、2年目の石川は、故障離脱。新外国人として補強したガーバーが、打率1割台のゼロ本塁打で、わずか12試合の出場に留まり、ロッテとの緊急トレードで獲得した加藤も戦力にはならなかった。