キシリトール入りのガムって、ほんとに虫歯にならないの? キシリトールが死亡リスクを上げるって本当?【歯科医師が解説】
効果的にキシリトールを摂り入れるために
キシリトールの効果を存分に発揮できるような提案をいくつかしてみましょう。 1. 適量を摂取する 厚生労働省のホームページでは、虫歯予防のためにはキシリトールが5%以上配合されたガムまたはタブレットを5~10g毎食後に摂取し、継続するとよいとしています。 2. 各自の好みに合った商品を選ぶ キシリトールの効果は、長期間にわたって定期的に摂取することで得られます。ですから、味や食感といった好みが合うものや、いつでも購入できる商品を選ぶことが大切です。 3. 砂糖など糖類を含む商品は要注意 キシリトール配合の商品でも砂糖や水飴などの糖類が含まれることがあるため、商品パッケージをチェックして購入しましょう。 4. 摂取するタイミングは食後または歯磨き前 タイミングの決まりはないですが、キシリトールの甘みで食事の味覚に影響が出ることがありますので、食後の摂取が望ましいでしょう。 5. ガムとタブレット、歯の状態などを参考に選ぶ 歯が少ない幼児は、誤飲リスクなどの面からタブレットが安全です。永久歯が生えてしっかり噛めるようになる6歳以降ではガムも大丈夫ですが、商品に記載された推奨年齢等を確認し、年齢に応じた商品を選んでください。 6. 基本の歯磨きは忘れずに 虫歯予防効果のあるフッ素と同様、キシリトールもそれだけで虫歯予防が万全というわけではありません。基本となる歯磨き習慣を毎日実践しながら、あくまでも補助的なものとしてキシリトールを活用しましょう。 * * * 以上より、多くの効果が認められるキシリトールを有効活用できるように、日常の生活習慣の中にうまく取り入れるようにしてくださいね。 参考資料: ・島谷浩幸:歯科から見る農作物と健康〔2〕農作物と虫歯予防.農業および園芸97(7),634-637,2022. ・佐藤宏和ほか:キシリトール含有ガム摂取によるプラーク形成および唾液成分に及ぼす影響.日本歯周病学会会誌50(4),231-237,2008. ・川守田暢ほか:キシリトール溶液による洗口の唾液中ミュータンス菌レベルへの影響について.日本歯科保存学雑誌53(4),359-366, 2010. ・Riley P et al: Xylitol-containing products for preventing dental caries in children and adults. Cochrane Library, 2015. ・Marco W et al: Xylitol is prothrombotic and associated with cardiovascular risk. Europian Heart Journal 45(27), 2439-2452, 2024. ・Oku T et al: Threshold for transitory diarrhea induced by ingestion of xylitol and lactitol in young male and female adults. J Nutr Sci Vitaminol 53(1), 13-20, 2007. ・厚生労働省:キシリトール.e-ヘルスネット. 【記事執筆】 島谷浩幸 歯科医師(歯学博士)・野菜ソムリエ。TV出演『所さんの目がテン!』(日本テレビ)等のほか、多くの健康本や雑誌記事・連載を執筆。二児の父でもある。ブログ「由流里舎農園」は日本野菜ソムリエ協会公認。
執筆/島谷浩幸(歯科医・歯学博士・野菜ソムリエ)