「一生幸せでいられるように」下半身が動かない“殺処分寸前の猫”を保護した決意
保護猫たちと暮らす工夫
――晴さんは現在、6匹の猫たちと暮らしているのですよね。その生活などについて教えてください。いつ頃から保護猫、保護犬と暮らすようになったのですか? 【晴】30代前半くらいからですね。ちっちゃいときから動物は好きだったんですけど、実家では父は猫が苦手で、母は犬が苦手だったので、小動物だけ飼っていたんですね。20代後半で父が亡くなったあと、寂しいから猫が飼いたいと母に相談されました。その頃、たまたま職場に野良猫がやってきて、その子を引き取ったのが最初です。 1匹保護したら半年後くらいにまた職場に子猫を連れてくる人がいたり、家のまわりに猫が居つくようになったり、気づいたら数が増えていました。 ――保護猫だと、やっぱりすぐ人に慣れてくれない子もいるのではないでしょうか? 【晴】中には家の中で息をひそめ近づくとシャーシャー言う子もいますね。そんなときはもう向き合い続けるしかないと思って、優しく穏やかな声でひたすら話しかけます。これからここで暮らすから、ずっと一緒にいようねって繰り返し繰り返し伝えるようにしています。 すると段々警戒心も薄れてきて、表情も緩んできてくれます。もう根気ですよね笑 ――大勢の猫と暮らすうえで、何かコツはあるのでしょうか? 【晴】他の子と仲良くしたがらない子には、押し入れや高い場所にその子専用の居場所を作ってあげていますね。猫同士で場所の取り合いにならないように、沢山寝床は用意しています。 黒いメス猫がいるんですけど、オス猫が大嫌いなんですよ。でも、他の猫たちはその子のことが大好きで、よく追いかけ回されているんですね。それがあまりにしつこい時は止めに入ったり、撫でたり膝に乗せてブラッシングしたり、なるべく触れ合う時間を持ってストレスを溜めないようなケアを意識的にしています。 ――お子さんは、生まれた頃からずっと猫と一緒なんですよね。いま3歳とのことで、少しずつ物事が分かるようになってくるお年頃だと思うのですが、どのような反応を示しているのでしょうか? 【晴】猫や犬、小さい子にも優しくできるようになりましたね。自分より小さい子どもが好きになってくれて、おもちゃとか順番を譲れるようになりました。あとは、外出から帰ってくると、らいや他の猫たちが出迎えてくれるのは嬉しいみたいです。 昨年も新しい猫を1匹迎えたのですが、その時も大喜びして構いすぎちゃって嫌がられていました笑 猫によっては子どもを見かけると逃げてしまったり、苦手意識のある子もいますね。にことうたという2匹の猫は、子猫の時から一緒に居るからか、子どものことが大好きみたいです。 (取材・執筆 PHPオンライン編集部 片平奈々子)