「グリーン」と「デジタル」 菅首相が施政方針演説で語った内容は?
菅義偉(よしひで)首相は、18日の施政方針演説の中で、肝いりの政策として掲げる「グリーン」と「デジタル」を「次の成長の原動力」にしていくとの意欲を示した。ポストコロナ時代において、世界をリードし、再び持続的な経済発展をするために「成長志向の政策運営を追求していく」と述べた。 【動画】菅首相が施政方針演説「コロナを一日も早く収束させる」衆院本会議
昨秋の所信表明演説で、2050年に温室効果ガスの排出を「全体としてゼロにする」と宣言した「カーボンニュートラル」については、2兆円規模の基金を創設し、最大10%の税額補助を行い、次世代エネルギーの開発投資を促進すると強調。自動車について「2035年までに新車販売で『電動車100%』(※1)を実現する」ことを明言した。 デジタル政策については、今秋に創設する「デジタル庁」を組織の縦割りを廃した「改革の象徴」とし、3000億円規模の予算を持つ司令塔として「国全体のデジタル化を主導する」と語った。自治体のシステム統一化や民間人材の登用についても触れた。 以下はそれぞれの項目についての演説の概要。 (※1)電動車…電気モーターのみで走行する電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、内燃エンジンを搭載するハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などを指す。
ポストコロナ時代へ成長志向の政策運営
「バブル崩壊後、我が国が抱える問題について、長年にわたって次のように言われ続けてきた。日本企業のダイナミズムが失われた。デジタル化の流れに乗り遅れ、新たな成長の原動力になる産業が見当たらない」 「アベノミクスの3本の矢により、日本経済はバブル期来の好調を取り戻した。しかしながら、ポストコロナの時代においても我が国経済が再び成長し、世界をリードしていくには、多くの壁が立ちはだかっている。行政のタテ割り、既得権益、そして悪しき前例主義を打ち破り、未来を切り開く、困難な課題にも答えを出すのが私の内閣だ」 「地方で家族を育み、老いても安心して暮らせるよう、地方の方々の所得を引き上げる施策を追求していく。そうした動きを国全体の活性化につなげ、我が国が持続的に発展していくため成長志向の政策運営を続ける」