【まとめ】多様化する年内入試…選抜方法や対策は?
いまや大学入学者の半数以上が、総合型選抜や学校推薦型選抜といった「年内入試」を利用して入っています。そのなかでも「総合型選抜」のスタイルは実にいろいろです。変化する総合型選抜について、ユニークな選抜方式から、求められる力、年内入試で合格した大学生の体験談までをまとめました。 【写真】続く不合格に「浪人する」 あきらめた息子を変えた母の行動
1.増える年内入試
大学入試が大きく変化していく中でも、注目が高まっているのが、総合型選抜や学校推薦型選抜といった「年内入試」の増加です。国公立大学、私立大学ともに総合型選抜や学校推薦型選抜を実施する大学が増加し、半数を超える学生がこの年内入試で大学に入学しています。文部科学省の「大学入学者選抜実施要項」には「入試方法の多様化、評価尺度の多元化に努める」と示してあり、ペーパーテストだけではわからない能力を多様な選抜方法によって評価する動きが広がっていることが背景にあります。 年内入試は今後も増えていくのでしょうか。教育ジャーナリストの石原賢一さんは「医学部など、志願者に対して定員数が少ないごく一部の大学・学部を除いて、一般選抜はほとんど機能しなくなっていくことが予想される」と話します。
2.関東でも公募制推薦がスタート
2025年度入試で注目されたのが、東洋大学の公募制推薦です。公募制推薦とは、他大学との併願が可能で、基礎的な学力テストを課す推薦入試制度です。得意科目で受験できる方式もあるのが特徴で、関西では多くの志願者を集めています。関西の大学ではおなじみの入試方式ですが、関東でこの規模の大学が導入するのは25年度入試の東洋大学が初めてとなります。東洋大学の基礎学力テスト型は、科目は英語・国語あるいは英語・数学の2教科で受験できて、他大学との併願も可能です。全学部で578人の募集定員に対して約2万人の志願者があり、倍率は約35倍に達しました。 石原さんは「大東文化大学も25年度から導入しましたが、駒澤大学、専修大学や、大東亜帝国(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学)と呼ばれるグループの他の大学なども追随するのではないでしょうか」と話します。