【まとめ】多様化する年内入試…選抜方法や対策は?
10.【入試スタイル】推薦入試の面接はビブリオバトルで
筑波大学情報学群(知識情報・図書館学類)が19年度入試から推薦入試に導入しているのが、「ビブリオバトル方式」です。入試は「小論文+面接」で行われ、面接にゲーム感覚で書評合戦をする「ビブリオバトル」を取り入れています。 知識情報・図書館学類の宇陀則彦教授は、入試にビブリオバトルを採用した理由をこう語ります。 「制限時間内に本の魅力を伝えるには、表現力、説得力、論理的思考力、コミュニケーション力など幅広いスキルが求められます。入学後の学びとの親和性も高く、知識情報・図書館学類のアドミッションポリシーに合致する学生を選抜する方法として最適だと考えました」
11.【体験談】プレゼン型の総合型選抜、どう対策?
創価大学は、「PASCAL入試」という総合型選抜を実施しています(全学部対象)。書類による1次選考を経て、2次選考では4~6人のグループでオンライン形式のグループワークを行います。1次選考合格者には「予習教材」が与えられ、受験生は予習教材を読んだうえで、LTD (Learning Through Discussion= 話し合い学習法)に臨みます。事前に、大学ホームページで公開している「LTDガイダンス映像」を参考に「予習ノート」を作成することが求められるというユニークな入試です。
12.【体験談】「公募推薦」の合格が安心材料に
金沢大学理工学域3年の鈴木心大(こひろ)さんは、高校3年の11月、私立大学の公募推薦で合格を確保したうえで、第1志望だった金沢大学を一般選抜で受験し、合格しました。「私立大学に行くなら兵庫県宝塚市の自宅から通えるところに、一人暮らしをするなら国公立大学にしてほしい」という親の言葉を基準に考えました。 利用したのが、近畿大学の公募推薦でした。共通テストよりも前に合格が決まる日程だったため、30万円ほどの入学金を納める必要がありましたが、この合格が鈴木さんには大きな安心材料になったそうです。
13.【体験談】学校推薦型選抜、小論文を1日1つ書いて対策
学校推薦型選抜(公募制推薦)は、大学によっては倍率が高いため、一般選抜と両方を目指す高校生も多くいます。第1志望の福岡県立大学看護学部に合格した石田有美さん(仮名)も、「チャンスは多いほうがいい」と考えて両方を受けることを決め、高校3年の夏休み後からは特に小論文対策を徹底しました。 学校推薦型選抜の試験は11月で、石田さんが受験した当時は毎年度、看護に関連した800字の小論文を2時間で書く試験が課されていました。そこでオープンキャンパスで配布された過去問や、赤本に載っている問題などを活用して、小論文を「1日1つ書く」と決めて取り組むようにしました。しかし、小論文を1日1つ書くとなると、見直しも含めて3時間くらいかかります。一般選抜に絞って対策している受験生に後れをとってしまいそうで不安だったといいます。