【まとめ】多様化する年内入試…選抜方法や対策は?
3.「年内入試」で求められる英語力
志願者が多い大学の年内入試では、英語の民間試験のスコアを活用する動きが広がっています。現在、大学入試に生かしやすい民間試験は、主に実用英語技能検定(英検)、TOEFL、IELTSの3つです。求められるレベルは大学によりますが、国公立大の場合は、将来的にAO入試(総合型選抜)への全面移行を表明している東北大学の動向が注目されています。では、英語4技能(読む・聞く・書く・話す)はどう伸ばしていけばいいのでしょうか。
4.総合型選抜、100日間あれば合格できる?
ずばり、100日間あれば総合型選抜の合格を勝ち取ることはできるでしょうか。 「正しい戦略があるなら、100日間で間に合います。もちろん多くの条件がありますが、短期間での挑戦は十分に可能です」と話すのは、総合型選抜と公募制推薦に特化した塾、ホワイトアカデミー高等部で講師を務める竹内健登さんです。 100日間で間に合わせるには、2つのポイントがあります。1つは「行きたい大学・学びたい学問」ではなく、自分の得意分野やこれまでに積み重ねてきた実績を評価する入試を選ぶことです。もう1つは、コスパよく入れる学部・学科を選ぶのも一つの策ということです。
5.総合型選抜突破のカギは探究学習
近年、進学実績を伸ばしている高校には、「探究学習に強い」という共通点があるようです。これは年内入試の拡大によるものだと、追手門学院大学客員教授で学習塾業界誌「ルートマップマガジン」の西田浩史編集長は分析します。 探究学習ではグループワークやプレゼンテーションを行います。これは総合型選抜で求められる、旧来の教科学習ではフォローできない力を伸ばすことにつながるようです。
6.早めの対策で偏差値の「下克上」も
総合型選抜や学校推薦型選抜の注目すべき点は、学力試験を課さない大学が多いということです。例えば早慶やGMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)、一部の国公立大学などでは、書類審査(志願理由書も含む)、小論文、面接や、グループディスカッションでの選考がスタンダードになっています。しかし、難関大学に多くの合格者を出している「トップ校」といわれる高校では、今も一般選抜で受験する生徒が多く、年内入試の出願者はあまり多くないのが現状です。 総合型選抜では、早期からきちんと対策をすれば、高校の入試偏差値があまり高くない進路多様校から、GMARCHなどの難関大学に合格できる可能性は十分にあります。「ルートマップマガジン」が300の塾の関係者に行った聞き取り調査でも、9割の塾関係者が、総合型選抜を利用すれば偏差値の大逆転が可能、つまり「下克上」が起きうると回答しました。