【まとめ】多様化する年内入試…選抜方法や対策は?
7.予備校の進路カウンセラーとは?
大学選びに迷ったときは、プロの意見を聞くのも一つの方法です。近年は生徒一人ひとりの個性を把握しやすい少人数制の塾や予備校を中心に、「進路カウンセラー」「学習カウンセラー」を置くところが増えています。 大学受験や海外留学などの講座を開講するトフルゼミナールで長年、カウンセリングを担当している犬塚泰輝(やすあき)事務局長は、次のように話します。 「志望校や入試方式といった具体的な相談のほか、『大学で学びたいことがない』『勉強する気が起きない』など、学習そのものの悩みにも対応しています。最近は、『高校の進路相談で一般選抜を勧められたが、年内入試は無理ですか』といった相談も多いですね。相談者は生徒一人でも、親子でもいいし、保護者のみでも構いません」 犬塚さんに、よくある相談事例と、家庭でも役立つ親のアドバイスのポイントなどを聞きました。
8.高大連携が盛んな私立高校は「塾いらず」
「高大連携」とは、文部科学省が推進している取り組みで、高校生に大学レベルの教育研究に触れる機会を提供するものです。これまで隔たりがあった高校と大学との接続を密接にすることで、生徒一人ひとりの興味・関心を明白にし、その能力を伸ばす教育として浸透してきています。 高大連携が、総合型選抜への足がかりになる事例も増えています。高校生の段階で大学の学びに触れることは、研究の面白さを知って将来の視野を広げたり、やりたいことを見つけたりできる可能性が広がります。また、小論文やプレゼンテーションの力を伸ばすことも期待でき、それが学びへの意欲や大学で何をやりたいかなどが重視される年内入試につながるようです。
9.【入試スタイル】図書館にこもってレポート作成
秋ごろから動き出す年内入試の特徴は、時期の早さだけではありません。選考内容も多様で、最近は試験に先駆けて様々な事前プログラムを用意している大学も登場しています。 和光大学現代人間学部心理教育学科(子ども教育専修 保育コースなど)の「スクーリング形式入試」は、8月に実施される「スクーリング授業」に参加してレポートを書き、面談を受けて出願許可を得ることが出願条件になっています。 創価大学の「PASCAL入試」も、事前にグループワークのプログラムを実施しています。プログラムへの参加が出願条件というわけではありませんが、本番に役立つトレーニングであり、入学後にも役立つ学習法でもあるので、多くの受験生が参加しています。 特徴的なのは、お茶の水女子大学の「新フンボルト入試」です。文系学科の第2次選考は、大学の図書館に6時間こもり、当日発表されるテーマに沿って、館内の蔵書や資料を活用してレポートを作成します。