金星探査機「あかつき」の観測成果 JAXA会見(全文3)スーパーローテーションとは反対方向
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日午後2時から記者会見を行い、金星周回軌道に投入してから4年を迎える金星探査機「あかつき」の観測成果を説明した。 【動画】金星探査機「あかつき」軌道投入から4年 JAXAが観測成果を発表 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「金星探査機「あかつき」軌道投入から4年 JAXAが観測成果を発表(2019年11月19日)」に対応しております。 ◇ ◇
熱潮汐波が金星上に存在している
神山:具体的には「あかつき」が真上にいるのじゃなくて、ちょっと地平線に近づくというんですかね、金星の上に立った人から見ると、どんどん「あかつき」の高さが下がっていくような場所だと、なかなか深いところから出てきた光が「あかつき」にまで届かないということが分かりました。もし「あかつき」が真上にいれば、この深さの光を観測できたのに、少し斜めから出てきた光はちょっと上に上がってしまうと、そういうことが分かりました。ですので、データのクオリティーを均質にするために、ここの角度、出射角と呼んでいるんですけども、出射角をそろえたデータを使ってデータ解析をしました。いいところはデータが混ざらないというところなんですけど、悪いところはデータの確保できる範囲がすごく狭くなってしまって、そのトレードオフはあるんですけれども、このようなデータを使って解析を進めました。 すると、こういった絵が得られたというのが1つ世界初の成果になります。これは横軸を、金星地方時に取っています。地方時というのは12時がちょうど太陽がある経度で、0時がその反対、真夜中になります。縦軸に緯度を取りました。真ん中0度が赤道で、だいたい50度、南緯50度から北緯50度までを取った、こういったある意味熱潮汐波の世界地図のようなものを得ました。この絵が1つ、世界初の成果になります。今まで金星の研究者が見たい、見たいと思っていて見えなかった絵になります。ただこの絵を見ていてもちょっとよく分からなくて、だいたいマイナス3度から3度ぐらいの幅を持って、この熱潮汐波というものが金星上に存在していると。