フランス人流「ハレの日」おしゃれの楽しみ方。60代女性はシンプル黒ワンピースでシックに
イベントごとが増える年末年始。普段は目立たないさりげないおしゃれが得意なフランス人は、パーティのときはいつもと違ったファッションをするそう。フランス文化研究者で翻訳家のペレ信子さんが、フランスで見たおしゃれな女性3人の普段着とパーティの服装で比べてレポートしてくれました。(出てくる女性の名前は仮名ですが、ペレ信子さんの実在の友人です) 【写真】ドレスを身にまとうマネキンたち
1:普段はカジュアルでボーイッシュな女性が、パーティで見せた魅力的な姿
ダニエルは普段から活動的で、どこへでも自転車やバイクでやってきます。必要なら南仏まで1人でドライブして行くこともある頼もしい女性。ハキハキと話し、大きなジェスチャーでユーモアたっぷりに話す人。すっぴん、ショートカットで、Tシャツにジーンズが彼女のトレードマーク。 昼間はそんな彼女が、初めてディナーパーティに現れたとき、ドキッとしました。薄いオーガンジーにキラキラとラメが光るトップスに黒いパンツ。ショートカットから見える耳には、天の川のように華奢な細いゴールドのピアス。マスカラはたっぷりと、唇には肌の色に合ったグロスが塗られ、キャンドルの食卓でひときわ美しく見えました。
2:良家のお嬢様のような女性が、シンプルドレスでハッとする美しさで登場
ナタリーは60代半ばだと思うのですが、腰が低くて優しく、品のある話し方をします。髪型はあごまでの長さのワンレングスのボブカット。髪の毛はツヤツヤで手入れが行き届いています。きちんとアイロンのかけられた白いシャツにスカーフとパンツというときもあれば、質のよいセーターにジーンズのときもあります。 ナタリーの家に招かれ、彼女がドアを開けてくれたとき、思わずハッとしました。フランス人のワードローブの要と言っていい、「リトルブラックドレス」(黒いシンプルなワンピース)です。彼女にサイズも形もぴったり(多分オーダーメイドでは?)で、シンプルで美しい。そこに大きめのパールのネックレスをして、その品のよさはジャッキーケネディを思わせました。
3:知的できちんとした女性が、「赤」をまとって絶妙な印象に
セリーヌとは子どもの学校の保護者会で知り合ったのですが、彼女の知的な雰囲気がクラスのなかで際立っていました。でしゃばらず、でも意見を言うときはバシッと言う「できる人」という感じ。肩までの長さの自然な髪型で、派手さのないシンプルな服装ですが、バッグと靴はよく手入れされていて、きちんとした印象を受けます。 セリーヌは多くの友達を呼んで、ビュッフェ形式の気軽な食事スタイルで音楽をかけて踊るのが好きです。ある日、パーティに呼ばれて行ったとき、彼女が真っ赤なミニのワンピースに赤いネイルをしていて、意外だったのですが、とても似合っていました。彼女の赤いネイルは、ヘルシーさとセクシーさがちょうどよいバランスだと思いました。
普段の自分と違うスタイルに挑戦してみたくなるパーティシーズン
クリスマスが近くなってくると久しぶりに友人と集まる機会や、パーティが増えます。いつも無難な洋服になりがちですが、フランス人の友達が上手に自分を演出しているのを見て、パーティで新しいイメージに挑戦してみたくなりました。
ペレ信子