危険な空気が渦巻く韓国、パキスタンでアントニオ猪木は...? 伝説の海外遠征に同行した永源遙が目撃した光景
ホテルに軟禁状態 アントニオ猪木が持ち込んだ大量のカップヌードルに救われる
――そして、問題の猪木さんとアクラム・ペールワンの試合ですが、どういう雰囲気でしたか? 新間さんが控室に来て、「永源ちゃん、向こうの対応が随分おかしくなってきたから、セコンドをしっかり頼むよ」って。きっと向こうは日本人のプロレスラーなんか大して強くないと思っていたんじゃないですか? ――猪木さん自身は、ピリピリしていたんですか? そんな風には見えなかったけど、なっていたんでしょうね。猪木さんはピリピリしていても、意外と顔には出さない。そういうのを人には見せないから。でも、セコンドに入っていてね、ホントにどうなるのかと思ったよ。アクラムって腹が出てるんだけど、元気があるんだよね。意外とスタミナがある。ゴガもそうだけど、腹は出ていても、しっかりした筋肉なんですよ。 ――第2ラウンドで猪木さんがアクラムの右目に指を突っ込んだと言われていますが、永源さんがいた位置からは見えました? それは向こうが因縁をつけてきただけじゃないの? よっぽどピンチに追い込まれたらするかもしれないけど、猪木さんが8-2で優勢だったし、ゆったりとやっていたから、そんなことをする必要はなかったと思うねえ。結局、第3ラウンドで猪木さんがアクラムの腕を折っちゃって、新間さんの顔色が変わりましたよ。「早く行こう!」って。そこには倍賞美津子さんもいたからね。だから、すぐに控室に戻って、ホテルへ逃げて。 ――その後、ホテルで軟禁状態のようになってしまったんですよね? 猪木さんが賢いのは、カップヌードルの入った大きなケースを2つぐらい持ってきていたんですよ。あれは奥さんが気を遣って持ってきたのかな? それをみんなで「ごっつぁんです!」と食べて(笑)。パキスタンのファンは意外と「猪木は凄い!」みたいに好意的な感じだったけど、「ホテルの外に出たら、みんな付いてきちゃうから出ないでくれ」と言われたんですよ。それとアクラムの兄弟たちが「プライドを傷つけられた」と復讐に来るとか来ないとかいう話もあったから、護衛が付いて…。