元日に能登半島で震度7の大地震 大津波警報も 建物倒壊や大規模火災で甚大被害、救助活動続く
また、震源域周辺の電子基準点や「REGMOS」(可搬型GNSS連続観測装置)の観測では、輪島市内の電子基準点で、西南西方向に1.2メートル程度の地殻変動が確認された。この観測データを分かりやすく表現すると、輪島周辺が西南西に1メートル以上動いたことを意味する。震源から離れた新潟県糸魚川市や富山県入善町などでも10センチ以上の地殻変動が観測されており、やはり今回の地震の規模の大きさを示している。
震源断層は150キロ、地震加速度は東日本大震災にほぼ匹敵
政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大学名誉教授)も2日に臨時会合を開催し、「震源となった断層は150キロ程度と考えられる」などとする評価結果を発表した。同委員会によると、今回の地震は断層の片方がもう一方に乗り上げるようにずれ動き、北西―南東方向に圧力がかかる逆断層型だという。ただ、長い断層のどの部分がどのようにずれ、動いたかは詳しく分かっていない。地震のエネルギー(マグニチュード)が大きかったため、かなりの規模の断層がずれ、動いた可能性がある。
また、同委員会に報告された防災科学技術研究所の解析データによると、石川県志賀町では加速度2828ガルを観測するなど震源付近で激しく揺れたことが改めて明らかになった。2023年5月の能登半島での地震の時は珠洲市で最大729ガル。11年の東日本大震災では宮城県栗原市で最大2934ガルを観測しており、これにほぼ匹敵する大地震であったことも分かった。 地震は一般的には加速度が大きいほど揺れに伴う被害は大きくなる。ただし、地震周期や地盤などの他の要素により揺れが大きくなる場合もあり、2016年の熊本地震では最大1580ガルだったが大きな被害を出している。
能登半島など被災地現場からの共同通信など各社の報道からは、無数の亀裂が入った道路や、転倒したビル、落下した橋、無残につぶれるように倒壊した家屋など、大地震の爪痕や大規模被害実態が分かる。石川県珠洲市などでは大半の家屋が倒壊している。地震のエネルギーを示すマグニチュードが7.6と大きく、かつ震源の深さが16キロと浅い地震の怖さをまざまざと見せつけている。輪島市の観光名所「輪島朝市」周辺では大規模火災も発生し、約200棟が燃えたとされる。