元日に能登半島で震度7の大地震 大津波警報も 建物倒壊や大規模火災で甚大被害、救助活動続く
今回、津波も地震発生直後から日本海側の広い範囲で観測された。避難者は多い時で石川、新潟両県を中心に5万人を大きく超えた。寒い元日の午後に大津波警報が出され、着のみ着のままで高台に避難した人も多かったようだ。お年寄りや障害者の苦労はいかばかりだったか。 能登半島では群発地震が続く中でM6~7クラスの大きな地震の可能性も指摘されていた。自治体などは「大地震が来る可能性がある」との予測に対して、どの程度「備え」ができていたかを点検し、不備な点を改善できていたか。事態が落ち着いたら検証してほしい。今後改善できることは徹底したい。その教訓は全国で生かすことができる。
予断許さない海底活断層、私たちも危機感を
産業技術総合研究所などによると、能登半島沿岸部には大きな地震を起こす可能性がある海底活断層が複数走っている。これらの断層がいつまた大きくずれるか予断を許さない。今回の地震の余震だけでなく、中長期的警戒が必要だ。 私たちは元日から「地震列島」「地震大国」に住んでいることを思い知らされた。いつも大地震は不意打ちだ。大地震に対する国や自治体の「公助」の充実も重要だが、地域の「共助」や自分たちができる範囲の「自助」も必要だ。家具の固定や就寝場所の落下物対策、備品、避難路・避難場所の確認など、自助の範囲の備えに長い時間はかからない。私たちも「次はここが大きく揺れるかもしれない」という危機感を持ちたい。 (内城喜貴/科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員)