【KEIRINグランプリ】北井佑季はなぜ先行できなかったのか GPを3度制した山田裕仁氏が語る“一発勝負で勝つために不可欠なもの”とは
3車連係の南関東、清水と新山は単騎戦
ではここで、今年の並びを確認しておきましょう。1番車を選んだ古性優作選手(100期=大阪・33歳)は、脇本雄太選手(94期=福井・35歳)と連係。脇本選手が前で、古性選手が番手を回ります。同じく2車ラインとなった関東勢は、眞杉匠選手(113期=栃木・25歳)が先頭で、番手に平原康多選手(87期=埼玉・42歳)という組み合わせ。ヨコの動きもできる眞杉選手の走りは、要注目でしょうね。 唯一の3車ラインとなった南関東勢は、北井選手が先頭で番手が郡司浩平選手(99期=神奈川・34歳)、3番手を固めるのが岩本俊介選手(94期=千葉・40歳)という並び。車番的に後ろ攻めとなりそうですが、どのラインが前受けしても、いったんは斬らせてもらえるはず。そこから北井選手が、以前のような強気の逃げに持ち込めば、番手の郡司選手にとって絶好の展開が生まれます。 そして単騎で勝負するのが、清水裕友選手(105期=山口・30歳)と新山響平選手(107期=青森・31歳)です。どちらも初手で後方ならば、新山選手の動きに清水選手が乗るカタチもありそう。しかし、新山選手も単騎だと、主導権を争ってもがき合うような展開にはしないですよね。清水選手も狙うは優勝だけですから、初手から動いて位置を取りにくる可能性も十分ありそうです。
前受けは関東 後方から北井が上昇するも…?
それではさっそく、レース回顧といきましょうか。レース開始を告げる号砲と同時に飛び出したのは、1番車の古性選手と2番車の平原選手。内の古性選手がスタートを取るかに思われましたが、平原選手に譲って、関東勢が前受けとなります。眞杉選手が先頭となって、近畿勢の先頭である脇本選手が3番手。その直後に単騎の清水選手がつけて、南関東勢の先頭である北井選手は6番手から。そして最後方に単騎の新山選手です。 初手の位置取りが決まってからは淡々と周回が重ねられていき、レースが動き出したのは青板(残り3周)周回の2センターから。後方の北井選手がゆっくりと位置を上げていきますが、先頭の眞杉選手は誘導員との車間をきって、後方の動きを待ち構えています。そして赤板(残り2周)掲示の手前で、北井選手が前を斬りにいきますが、先頭の眞杉選手も引かずに踏んで応酬します。 しかし、赤板後の1センター過ぎで北井選手が眞杉選手の前に出て、眞杉選手はその直後に収まろうとしながら、いったんペースが緩みます。この緩んだタイミングを見逃さなかったのが、後方6番手となっていた脇本選手。一気のカマシであっという間に先頭集団に迫ったところで、レースは打鐘を迎えました。主導権が欲しい北井選手は突っ張りますが、スピードの差は歴然でしたね。