2025年「日本企業が直面する」3つの“本質的問題”はこれだ ビジネス現場で増える「厄介な問題」…解決法は?
経営コンサルタントとして50社を超える経営に関与し、300を超える現場を訪ね歩いてきた遠藤功氏。 36刷17万部のロングセラー『現場力を鍛える』は、「現場力」という言葉を日本に定着させ、「現場力こそが、日本企業の競争力の源泉」という考えを広めるきっかけとなった。 しかし、現在、大企業でも不正・不祥事が相次ぐなど、ほとんどすべての日本企業から「現場力」は消え失せようとしている。 「なぜ現場力は死んでしまったのか?」「どうすればもう一度、強い組織・チームを作れるのか?」を解説した新刊『新しい現場力 最強の現場力にアップデートする実践的方法論』を、遠藤氏が書き下ろした。 【話題の書籍】チーム・組織を強くしたい「すべての現場リーダー」に20年間、読み継がれてきた必読書
その遠藤氏が、2025年「日本企業が直面する」3つの“本質的問題”について解説する。 *この記事の続き:2025年「2つの思考法」が“問題解決できる人”の鍵になる ■ビジネスの多様化で難易度が高まる「問題」 2025年、新たな時代が始まっても、「現場力」こそが、日本企業の競争力の源泉であることに変わりはない。 変化の激しい環境で成果を出す鍵は、現場での対応力と創意工夫にある。 しかし近年、企業の現場で発生する問題は、間違いなく「厄介な問題」が増えている。
現場が解決すべき問題の難易度が飛躍的に高まり、従来の現場力では対処できなくなっている。 「テクノロジーの進展によるデータ量の増殖」「SNSなどによる情報の増殖」により、ビジネスの構造そのものがきわめて複雑化しているのだ。 2025年を迎えたいま、その動きはよりいっそう加速していくだろう。 現場力とは「現場に内包されている問題解決力」のことである。 目まぐるしく変化が起きつづけるいまだからこそ、変化にさらされている現場自らが問題解決に取り組む必要がある。
企業の変化対応力とは、ボトムアップの力にほかならない。 しかし、日本企業が置かれている状況、これからとるべき戦略の方向性によって、その力点の置き方や方法は変わってくる。 ■問題は「3つのタイプ」に分類される 一般的に問題とは、次の3つのタイプに分類される ①シンプルな問題(SimpleProblem) 解決すべき問題と解決方法が、それぞれ明確に定義可能な問題。 変数が少なく、具体的な解決策も出そろっており、客観的な正誤の判断が可能。