青木さやか「スーパー銭湯の露天風呂、一糸纏わぬ姿で景色を眺める。隠すところはない。百獣の王の気分だ! 年をとるって悪くない!」
◆最近は中学3年生の娘と一緒に 東京に来てから、スーパー銭湯にいく回数は圧倒的に減ったが、ここ最近、ブームが再燃した。中学3年生の娘もスーパー銭湯好きで、一緒に行く機会が増えたのだ。しかも、最近のスーパー銭湯はすごい。休憩場は充実していて、ベッドでテレビは観られるわ、漫画や雑誌も見放題というところもあり、娘と行っても、ごはん以外は別行動。お風呂が好きなわたしより早く風呂をあがり、ヨギボーコーナー的なところで寝る娘。 わたしはじゅうぶんにお風呂を楽しみたい。低い温度の高濃度炭酸泉にじっくりつかるのも好きだし、電気風呂を腰にあてたい。最近気にいっている読売ランドの「花景の湯」の露天風呂は温度が低めで、目の前にはうっそうとしげる森、右を向くと読売ランドのジェットコースター。森の奥には川、その向こうは都心。都庁も、スカイツリーもみえる。夜はまたそれらが夜景となってキラキラとする。 わたしは、堂々と露天風呂から立ち上がり、一糸纏わぬ姿で景色を眺める。 そういえば、今のわたしには恐ろしいおばさんは見つからない。若い子たちの目には、わたしが、そのようにうつっているのかもしれない。そう思うと可笑しくなってきた。恐ろしく思われようが、身体つきをどう見られようが、特に何も感じない。隠すところは、ないのだ。露天風呂で都会をみおろしながら、「あああああ」とドスのきいた音を出しながら、わたしは思った。 百獣の王の気分だ! 年をとるって悪くない!
青木さやか
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