沿道からのヤジに「他の選手が『気にしないで』と…」立教大監督を解任→現役復帰の39歳・上野裕一郎がニューイヤー駅伝で“4人抜き”大激走の衝撃
「いやあ、やっぱり走れるっていうことがすごく幸せでした。もうここに戻ってくることはないと思っていたんですけど……」 【写真】ニューイヤー駅伝でヤジを受ける上野に「温かい言葉」をかけたライバルはこの選手…“39歳現役”でニューイヤー駅伝を爆走するワイルドな表情の上野と立大監督時代の号泣シーンも写真で見る 7年ぶりにニューイヤー駅伝の舞台に帰ってきた上野裕一郎(ひらまつ病院)は、レースを終えて穏やかな表情でこう話した。 その久々の上州路で39歳の上野は、3区区間6位と堂々とした走りを見せた。 最後にニューイヤー駅伝を走った2018年、上野はDeNAの一員として1区を走り区間31位に終わっている。その年の12月に立教大の男子駅伝監督に就任することになり、新春の上州路で雪辱を果たすことなく、今度は指導者として箱根駅伝を目指すことになった。 しかし、23年10月の予選会を前に不祥事で解任され、翌24年にひらまつ病院に選手として加入。競技に本格復帰も果たした。
本格復帰わずか1年で…好記録を連発
立教大監督時代にも“市民ランナー”として走り、選手の練習を引っ張ることもあったが、本格復帰後はその活躍に拍車がかかった。今年5月のゴールデンゲームズinのべおかでは、5000mで38歳の日本記録(13分34秒54)をマーク。さらには、11月の日体大競技会では39歳の日本記録(13分38秒84)を打ち立てた。ブランクを感じさせることなく、復帰して早々に好記録を連発している。 そして、今回のニューイヤー駅伝での爆走。そのポテンシャルの高さには驚かされるばかりだ。 今回ひらまつ病院は、1区に荻久保寛也、2区に栃木渡と二枚看板を序盤に並べて、15位以内を狙っていた。だが、2区を終えて16位と、エース格の2人をもってしても苦戦を強いられていた。 「荻久保は悔しい展開だったと思います。荻久保には前の日に『どんな展開になっても俺が請け負うから』っていう話はしていました。栃木には『(3区に)俺がいるから、栃木なりにうまく走ってくれ』と言っていました」 この言葉通りに、上野は序盤の遅れを見事に挽回してみせた。 今回の3区には、パリ五輪1万m日本代表の葛西潤(旭化成)と太田智樹(トヨタ自動車)、東京五輪日本代表の伊藤達彦(Honda)、リオ五輪3000m障害代表で1万mの日本記録をもつ塩尻和也(富士通)と、歴代のオリンピアンがずらりと並んだ。 そんななか、上野は区間6位だっただけでなく、4つ順位を上げる活躍を見せた。 かつての教え子、関口絢太(立大→SGホールディングス)と奇しくも同じ区間を走ったが、区間タイムで勝利している。 「名だたるメンバーの中で、自分にはもう捨てるものがない。39歳にもなりましたし……。僕がまさか区間6番になるとは、たぶん誰も思っていなかったと思います。この年齢でもできるんだぞっていうところをしっかりと見せていけるように、また頑張っていきたいと思います」
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