今さら聞けない分離式ガソリンバーナーの使い方。着火方法から消火までOPTIMUS「ノヴァストーブ」でおさらい
④赤い炎が弱まったらコントロールバルブを開いて着火
“プレヒート”開始後、30秒ほど経って赤い炎が落ち着いたら、閉じた状態の“コントロールバルブ”を左に1/4回転。そうすると気化した燃料が噴き出して、“プレヒート”の赤い炎に引火します。自動点火装置は付いていませんが、ほぼ自動点火のような感じ! バーナーが十分暖まっていれば炎が青くなり、安定します。調理の準備OKです。コントロールバルブをさらに左に回せば強火に。“ゴーッ”という燃焼音はそれなりにありますが、いかにも燃えているっていう感じで楽しいですね。 ちなみに分離型ガソリンストーブでは“SOTO(ソト)”のみプレヒート不要ですが、着火直後は赤い炎が上り、しばらくして青い炎に変化したらボタン位置を変えて調理をはじめます。燃料を噴き出すことはありませんが「ノヴァストーブ」の「プレヒート→着火」とほぼ同じ原理です。
欧州ブランドはボトル全体でON/OFFを操作
以前、日本でも販売されていた“PRIMUS(プリムス)”のガソリンストーブもそうですが、「ノヴァストーブ」はボトル全体を動かして着火・消火します。この時“コントロールバルブ”は開けたまま。なんだか電車や飛行機を操縦してるっぽくて楽しい。 燃料ボトルをひっくり返すことで、ボトル内部の吸い込み口が液面より上になり、バーナーヘッドに燃料が供給されなくなります。そのまま放置しておけばホースの中の燃料が燃えきって、自然と火が消えます。消火までに40~50秒ほどかかりますが、ボトル内の圧力も同時に抜けるのも優秀。完全に火が消えてから“コントロールバルブ”を閉じ、ポンプ脇のホースに付いているダイヤルも「OFF」にして終了です。 ちなみにボトル内の圧力を抜くことが大事な理由は安全のため。ボトル内に圧力がかかったまま、ポンプをボトルから分離すると、圧力が抜けると同時に燃料が飛び散ってしまい、非常に危険。キャンプサイトで夜に使用し、翌日の朝も使うというならコントロールバルブを閉めて消火するだけでもOKですが、収納して持ち運ぶのであれば、必ずボトルの上下を「Off」に→火が消えたら“コントロールバルブ”を閉じる。徹底しましょう。 ちなみに“MSR(エムエスアール)”はボトル側のツマミで燃料を止めてホース内の燃料を燃やし尽くし、“SOTO”はホース内に強制的に空気を送り込んで消火。ブランドやモノによって違いはあれど、ホース内に燃料を残さないようになっています。 プレヒートの赤い炎は本燃焼とは違ってコントロールしづらいもの。思いのほか大きく立ち上がることがあるので、ガソリンバーナーは危険と思うかもしれません。けれどもツマミをそっと回す、ゆっくり確実に加圧するなど、慌てず操作することを心がければ決して危なくありません。 寒い時期でも、高所でも変わることなくパワフルだし、一体型よりも安定感がある分離型ガソリンバーナー。手入れしながら使い続けるのも楽しみです。
<取材・文/大森弘恵 写真/逢坂聡 撮影協力/スター商事>