年収1400万円大手商社マンが専業主婦の妻と離婚…「生活レベル」を落としたくない妻の「要求」
夫の収入を頼りにするしかない
そして、次回期日(次の話し合いの日)、マミは前回とは異なり、なんだか吹っ切れた様子で参加した。 「前回の最後に、調停人さんに夫が戻ってくることが望みかと聞かれ、よく考えてみました。今のままの夫が帰ってきても、きっと私のしんどさは続きます。だからといって、夫が心を入れ替えるのは期待できません。なので、本当は、離婚した方がいいのだと思います。でも、生活のために夫の収入を頼りにするしかないんです。ですので、私と子どもが安心して暮らせるお金を保障してください。そうすれば離婚します」 これがマミが考えた回答であった。一方、太一も、双方の辛さを解消する方法を自分なりに考えた結果、やはり離婚後の生活の保障に考え至ったとのことであった。調停人からは、期日間にそれぞれ時間を割いて考えてくれたことに感謝を伝え、離婚条件の話し合いへと進んだ。 離婚するか否かについてはマミが自分自身の気持ちと折り合いをつける作業であったが、離婚協議においては、今度は太一が忍耐を試される番となった。
妻が出した「要求」
マミの要求はこうであった。 ・子どもの養育費として月額ひとり5万円 ・子どもの学費・習い事は夫が負担 ・長男の高校卒業まで今の家に住む ・すぐには働けないので、離婚後2年間は妻の生活費として月額5万円支払う 現在、子どもたちは私立の小学校に通っており、学費はふたり合わせて年間200万円程度必要だ。加えて、それぞれ習い事も多い。長女は現在小学4年生、バレエと英会話に通っている。長男は現在小学2年生、同じく英会話とそれからサッカークラブにも所属している。それぞれの月謝は月に1万円~2万円程度だが、年に1回のバレエの発表会はやれ先生への花束代だやれ衣装代だと5万円ほどかかる。長男のサッカーに至っては、とにかく遠征費が高い。総額にすると、2人で月額10万円ほどの月謝がかかっている。家の家賃は20万円だ。これだけで既に年間560万円の支出になる。それに子どもたちの養育費とマミの生活費を合わせると、1年に740万円となる。太一の収入は1400万円であったが、手取りとなると1000万円を切る。740万円を支払ってしまうと、太一の手元には初任給のような金額しか残らない。