「肉と炭水化物をお腹いっぱい食べている」なら要注意…体と心に悪影響を及ぼす理由
生きていくための「5大栄養素」は、(1)糖質(炭水化物)、(2)脂質、(3)タンパク質、(4)ビタミン、(5)ミネラル。このうち(1)糖質、(2)脂質、(3)タンパク質を「3大栄養素」と呼ぶ。 【写真】快適な睡眠は「ふくらはぎ」が決める…! 日本には古くからこれらを「バランスよく食べる」という教えがあり、そのための献立として、主食(ごはん、パンなど)、汁物、主菜(肉、魚など)、副菜(野菜など)という4つで構成する食文化がある。 しかし、この「主食」「主菜」という言葉が与えるイメージによって、炭水化物と肉を食べ過ぎてしまっているかもしれないとしたら? シリーズ120万部『ゼロトレ』著者の石村友見さんが、「体」と「心」と「つながり」という3つの観点からどうすれば健康で、幸せに生きていけるのかを世界最先端の科学的データと豊富なエピソード、実例を絡めて解説した『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
「タンパク質は肉から」は本当か
空腹のとき、人はすぐに手に入る(または目の前にある)ものを食べがちだが、これと同じように、人体はつねに最も手軽なエネルギー源を使う。カロリーを含む栄養素の中で、「炭水化物」が最も早く供給されるため、素早くエネルギーに変えることができる。 しばらく何も食べていなかったときや運動をしたあと、白米やパスタ、うどん、パンなどの「主食」(炭水化物)を無性に食べたくなるのはそのためだ。空腹はちょっとした飢餓状態であるため、勢いに任せて食べてしまうことが多く、その結果食べすぎてしまう。 断食によってせっかく空腹期間を作っても、食事再開時に一気に食べるとかえって太ってしまうことがある。 「タンパク質」についても説明しておこう。人体が1日に必要とするタンパク質は、成人女性で約50グラム、男性で約65グラムとされていて、さほどの量ではない。様々なプロパガンダによって、私たちはタンパク質を肉類や乳製品から摂るように教え込まれてきたが、それは必ずしも正解とは言い切れない。魚介類やナッツ、野菜など他のタンパク源に比べて、体に悪い脂肪を多く含んでいるためだ。 ほとんどの人にとって「肉」は主菜だ。レストランのコースでもメインとして扱われるし、スーパーで食卓に何を出すか考えながら買い物をする際も、まずは肉類を中心とした主菜を決めてからその他の副菜を決めていくことが多い。 日本人のみならず、アメリカではその傾向がさらに顕著だ。人々はとにかく肉を好む。特に牛肉は「メインディッシュの王者」だ。