不自由展、名古屋で再展示は「苦しい」 河村市長が記者会見
名古屋市の河村たかし市長は19日、市役所で定例記者会見に臨んだ。名古屋では2日間(本来の会期は6日間)で中止に追い込まれた「表現の不自由展」関連の展示会が、大阪では予定された3日間の会期を終えたことについて言及。名古屋では「(郵便物が破裂した事件について)警察がきちっとやってくれている」とし、引き続き警察の捜査状況を見守る構えを示した。 【動画】不自由展、名古屋で再展示は「苦しい」 河村市長が記者会見 展示会の主催者側は、中止を受けてホームページ上に発表した声明の中で「私たちには中止になったことで失われた4日間の『表現の自由』を回復させる権利があります。そして、公共施設における表現の自由を回復させる義務が、名古屋市にはあります」と訴えているが、河村市長は、名古屋での再展示については「苦しいんじゃないか」と述べた。
大阪では会期を全うしたが…
大阪では府立施設側がいったん主催者側への会場利用許可を取り消したが、大阪地裁や大阪高裁が会場利用を認める決定を出し、16日から同施設で開催された。現場では多くの警察官が警備に当たる一方、反対派が抗議活動を繰り広げるなどしたが大きな混乱はなく、予定通り18日に閉幕した。 河村市長は、犯罪の実行行為のあった名古屋は「大阪とは状況が違う」としており、この日も「警察が捜査中で、実際に危ないことが起きた。そうした尋常じゃない場合は、最高裁でも(開催を)ストップしてもいいという判例がある」などと主張した。 一方、今後の公共施設での展示について「本来はパブリックフォーラムの原則があるが、政治的、宗教的に偏っていない(ものに限るという)規定を持っているところも結構ある。海外の事例なども含めて調査、勉強したい」と述べた。
行方不明のウガンダ選手「名古屋にいたら声掛けて」
東京オリンピックのため来日したウガンダ代表の重量挙げ選手が合宿中の大阪府内から行方不明となり、名古屋駅で改札を出たとの情報についての対応にも質問が出た。河村市長は、選手団や大使館などに連絡し、法的手続きを取るのが前提だとした上で、「仕事がしたいという話なので、よかったら声掛けてちょう。市としても捜索に協力して、顔見たら『アイキャンヘルプユー』と言いたい」などと述べた。
ワクチン接種の予約開始時期、前倒し
新型コロナウイルスのワクチン接種については、多言語での情報提供や相談会開催など、外国人支援に力を入れる方針を示した。 また、基礎疾患のない55~59歳の市民の予約開始時期を今月26日からとしていたが、集団接種や大規模接種会場の予約状況に余裕があることから「クーポン券が届いた日から」に前倒しすると発表。55~59歳の市民へのクーポン券はこの日に発送、40~54歳の市民へは26日に発送予定だという。 (関口威人/nameken)