飼育員が海で一本釣り! 宮島水族館のシンボル「タチウオ」 “生きた姿を見てほしい”展示にかける情熱【広島発】
傷つきやすいタチウオどう運ぶ?
やっと釣れた待望の1匹。“勝負”はここからだ。タチウオはウロコがなく傷つきやすいため、生きたまま運ぶことが難しい。元気な状態で持ち帰るために、船上の飼育員4人は「釣り担当」と「釣った後に生かして運ぶための対応」の二手に分かれていた。 手で直接触れないように袋をかぶせ、その後すぐタチウオの腹に針を刺し、気圧の関係でたまった空気を抜く。 そして、横たわっていたタチウオの立ち泳ぎを確認したら、船にあるもう一つの水槽へと素早く移動。この水槽は船が揺れても魚は揺れないようにできていて、タチウオ採集には欠かせない。 ポイントを変えたことで、ようやく釣れはじめた。御薬袋さんは「今日のタチウオはそこそこ大きくて、タチウオらしいタチウオですね」と満足そう。この日は8匹を採集。生きたまま水族館へ運んだ。 船が宮島に着くと、1分1秒が勝負!水族館のスタッフ一丸となって素早く運搬する。 「お願いします。じゃあ、走ります!」 タチウオを渡し、事前に決められた次のポジションへと走るスタッフ。水族館に到着すると、1匹1匹バケツリレーで水槽まで運ばれる。最後は水槽の水にバケツを沈め、ゆっくりとタチウオを泳がせた。飼育総括の御薬袋さんは「ギラギラ光ってヒレが波打つきれいな姿、タチウオの生きている姿をぜひたくさんの人に見ていただきたい」と話す。 飼育員たちの熱い思いで採集される宮島水族館のシンボル「タチウオ」。11月4日時点で20匹が展示され、元気に泳いでいる。 (テレビ新広島)
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