《倉田真由美さんが語る最愛夫の死後の大問題3》「夫が浮気していないわけがない」「怖いのは一周忌が終わった後のこと」
夫がいないクリスマスを迎えるのが寂しい
――叶井さん亡き後、初めて迎えるクリスマスや年末年始が近づいています。 倉田:夫はイベントにこだわる人だったんですよ。私の誕生日にはこだわっていなかったけれどね(笑い)。例えば、クリスマスには絶対にケーキを食べたいという人でした。昨年のイヴに、「イヴのケーキっていまいちだし、ずらして食べる?」と聞いたら、「ケーキはイヴに食べたいんだよ」と言われたので買いました。イベントを大事にする人だし、考えてみたらそうだよなと納得しましたね。でも、そのときはこれが最後のクリスマスになるとは思っていなかったし、最後になるならもっと喜ばせることを考えてもよかったと思います。 今年の元旦は娘と3人で初詣に行きました。自転車で近くの神社に行ったら、長蛇の列。お参りするのに1時間半かかると聞こえてきたので、帰ってしまいましたけれどね。その前の正月は近所のスーパーで、つくだ煮とか、黒豆とか、伊達巻といった夫が好きな甘いものを買いましたね。伊達巻といえば、私が作ったときに「ママの伊達巻は好きじゃない」と言われて以来、既製品を買っていたんだけれど(笑い)。 ――せっかくの奥さんの手料理なのに。 倉田:夫は、私の料理はあんまり好みではなかったみたいですね。これも、女性によってはキレるポイントかもしれない。「ママのご飯は味が薄いんだよ」と言われたことがあるし、特に私が作ったスイーツは味が薄くて好みではないらしく、一度も食べませんでした。夫はマックやケンタやファミチキみたいな、ジャンクでギトギトしたものが好きだから、低糖質で高たんぱくなスイーツは舌に合わなかったみたいです。 ――夫婦生活では、奥さんが作る料理にはおいしいと言わなきゃいけない雰囲気って、ありますよね。倉田さんは気にならなかったんですか。 倉田:まったく腹が立ちませんでした。仕方ないじゃん、舌に合わないんだから。無理においしいよと言われるより、私はそのほうが楽ちんですね。料理は私のキレポイントではまったくなかったんです。そういうところも含めて、夫と相性が良かったんですよ。 ――新しい年を迎えたら、一周忌が控えています。 倉田:怖いのは、いまだと毎日のように、去年の今頃は夫がいたなと思えるわけ。でも、一周忌を過ぎちゃうと、去年の今頃……と振り返ることができなくなるのが悲しいですね。余命宣告も何度も裏切ったから、いまでも、もっと生きると思っていたけれどな、と感じてしまいます。そう思えるのも、やはり私にとって最高の夫だったからだと思います。 取材・文/山内貴範