還暦・ダチョウ倶楽部 肥後「60歳になっても現状維持」--芽生えたリーダーとしての自覚
「お笑い」を始めて40年、リアクション芸人の立場を確立したダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広さんは、3月15日に還暦を迎える。「この歳まで現役でいられるとは思っていなかった」と話す肥後さんは、時代と共にそのポジションも変化させてきたそう。「純烈」とのコラボで昨年末の紅白歌合戦にも出場したことは大きな話題にもなった。どんなことがあっても、明るく振る舞う肥後さんに現在の心境について話を聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
時代と共にアップデート「みんながいたから救われた」
――60歳を迎えられますが、率直に今の心境はいかがですか? 肥後克広: 身体の面で言うと、かなり“老い”を認めていますね。無理をしないというのを心がけています。仕事の面で言うと、還暦まで現役のまま迎えられるのは奇跡だと思います。僕らがいる世界で成功するのは、ほとんど運ですから。変わってきたのは、後輩芸人に頼るようになってきたということ。昔は新しい若手が出てきても「こいつらには負けない!」とムキになっていたけど、最近は全く歯が立たないので、すぐに負けてマウントを取られまくってます。 ――今でも同じ事務所の後輩芸人にイジられている姿をよく目にします。 肥後克広: 事務所の後輩とは現場でよく一緒になりますが、彼らと仕事をすると自分の今のポジションがよく分かります。お笑いも年々アップデートされていき、それに下手に抗ってもしょうがないと思っています。今のモットーは、「いかに自分が傷つかずに、上手にマウントを取られるか」です。これは僕らと同じくらいの世代の人にも言えると思うんですが、「抗うな!綺麗にマウントを取られろ!怪我するぞ!」と世の還暦諸君に伝えたいです。
紅白に出場することで、世の中を「くるりんぱ」したかった
――年月を重ね、周りの人に頼るという想いが生まれたんですね。 肥後克広: そうですね、この歳まで続けてこられたのは、本当に人との出会いだけですから。純烈さんにもすごく救われました。純烈さんと一緒にフェスや健康ランドに出るたびに、段々とお客さんも受け入れてくれて、昨年の紅白歌合戦の出場まで繋がりました。紅白に出ることで、みんなが抱える上島への悲しみを「くるりんぱ」できるのではと思いました。一緒に出演してくれた有吉君にも救われましたね。 ――実際に出場してみていかがでしたか? 肥後克広: とにかく、一生懸命元気にパフォーマンスをやりました。それを見た人から、「一生懸命やりすぎて、空回りしていたよ」という噂も聞きますけど(笑)。というのも、リハーサルの時点では7人とも棒立ちで歌っていたんです。でも本番直前に、「本当にこれでいいのか?」「日本中が求めているのは、僕らの姿を見て、底抜けに笑うことなんじゃないか?」と思いました。そこで本番直前にプランを変更して「みんなで大盛り上がりしよう!」と、純烈のリーダー・酒井君にも相談をして、いつもより一生懸命、派手にやることに決めました。頑張った結果なので周りから引かれたって、空回りしてたっていいんです。世の中の人が“笑ってもいいんだ”という雰囲気になることが大事だと思ったので、その想いだけでステージに立ちました。